NEDOと高砂ケミカル、田辺三菱製薬など10社・団体は、医薬品のオンデマンド生産に向けて連続生産方式を採用した再構成可能なモジュール型医薬品製造設備「iFactory」を開発し、高砂ケミカル掛川工場に実証プラントを構築して、医薬品原薬・中間体など機能性化学品の8時間以上の全自動連続生産の実証試験に成功した。
NEDOは、必要なモノを必要な時に必要な量だけ生産し、エネルギー消費を抑えつつ廃棄物排出量の削減が見込めるオンデマンド型連続生産プロセスの実現に向け、2018年からモジュール型単位操作の相互接続に基づいた医薬品製造設備「iFactory」を開発。このほど実用化に向けて高砂ケミカル掛川工場に実証プラントを構築して実証試験を実施した。
実証実験には、高砂ケミカルと田辺三菱製薬、コニカミノルタケミカル、横河ソリューションサービス、テックプロジェクトサービス、大成建設、島津製作所、三菱化工機、産総研が参加し、1時間あたり10kgの生産能力を持つ実証プラントで8時間以上の3種類の化合物の連続生産を実施。得られた3種の化合物はいずれも規格に適合し、バッチ生産と同等の品質を確保し、さらにバッチ生産に比べて84%のエネルギー削減、6割以上の廃棄物排出量の削減効果を確認した。
今後、「iFactory」の普及を目的に設立された株式会社iFactoryで商用化に向けた開発を進め、遠隔地からの完全リモートによる無人運転、製剤工程との連結などの機能追加を目指す。また産総研つくばセンターで開催する実験機を使用したトレーニングプログラムを通して連続生産を実践的に理解した技術者の育成を進める。
https://www.yokogawa.co.jp/news/press-releases/2023/2023-12-14-ja/