展示会では新技術や新製品を見て、それらの専門家と直接、話ができる。しかも1カ所にそれが何十社何百社と集まっていて、短時間で何度も最高の技術体験ができる場である。
コロナ禍を経て、多くの人がその基本に立ちかえり、あらためてリアル展示会が再評価されるなか、2024年も国内外で多くの展示会の開催が予定されている。
コロナ禍前の2020年頃は、出展者側の企業はWEBマーケティングの流行や出展に関わる投資対効果に疑問を持ち、来場者側だった人々は展示会に行かずともWEBで簡単に情報収集ができ、動画などコンテンツの質も上がったこともあって、リアル展示会の評価は下がり気味だった。しかしコロナ禍で展示会や情報収集の完全オンライン化を経験した後、多くの人と企業が、実物の製品を見て、触れて、説明員と直接話をして意見交換をするメリット・有益性を再認識し、展示会の評価がガラリと変わった。
2023年に開催された多くの展示会は、来場者数こそコロナ禍前の数字には戻っておらず、6・7割程度の来場者数にとどまっているが、一方で出展者からは、来場は減ったが、以前よりも目的を持ち、熱意がある来場者が増えたという声を多く聞くようになった。また製造業トレンドの中心にあるロボットや半導体関連では、2023年11月の国際ロボット展が14万8000人、12月のセミコンジャパンが8万5000人といずれも2019年よりも来場者数を伸ばしている。展示会を取り巻く環境は以前とは大きく異なり、製品を売りたい・買いたい・探している熱心な人が集まる本来の意味を取り戻しつつある。
2024年も、1月のIIFESにはじまり、4月のものづくりワールド名古屋、5月のJECAフェア、6月のFOOMAとものづくりワールド東京、インターフェックス、7月のロボットテクノロジージャパン、テクノフロンティア、8月の国際物流展、10月のものづくりワールド大阪、CEATEC、名古屋ネプコンと年間を通じてFA関連の展示会開催が予定されている。さらに11月にはJIMTOF、12月にはものづくりワールドが九州で初開催となるなど、新たな動きも出てきている。
また、今後厳しい競争環境のなかでFA企業が生存していくには、横ばいか縮小傾向が続く国内市場だけでなく、海外事業の強化は不可欠なテーマ。その足がかりとして、海外で行われる主な展示会を見学する・出展するという企業も増えてきている。実際に昨年のハノーバーメッセ2023やSPS 2023の会場でも多くの日本人を見かけた。
コロナ禍を経て、人や企業の意識は大きく変化し、求められる技術や製品、サービスも変わった。それにともなってメーカーが作り出す製品・サービスと、そこに込められたメッセージも大きく変化した。展示会もコロナ禍前後で大きく変わり、新たな刺激が集まる場所に生まれ変わった。
2024年は様子見だった2023年以上に数多くの展示会が全国・世界で予定されている。生まれ変わった企業と展示会を楽しんでみてはいかがだろうか。
https://www.manufacturing-world.jp/nagoya/ja-jp.html
https://www.manufacturing-world.jp/tokyo/ja-jp.html
https://www.interphex.jp/hub/ja-jp.html
https://www.logis-tech-tokyo.gr.jp/ltt/
https://www.manufacturing-world.jp/kansai/ja-jp.html
https://www.nepconjapan.jp/nagoya/ja-jp.html