日本の製造業はどれくらいの規模で、成長しているのかどうなのか。「数字で見る日本の製造業の現在地」として、日本の製造業人口、出荷金額など日本の製造業の規模を示す基本データとその全体傾向をまとめた。
日本の製造業で働く人の数を表す「就業者」は、2023年10月末時点で1053万人。全就業者数6771万人の15.5%を占めている。ピークは1993年の1569万人で、近年は増減はあるが、全体として緩やかに減少している。全国にある製造業の事業所を示す「事業所数」は22万2770カ所。
メーカーが製造して出荷した金額「製造品出荷額」は、2021年は415兆7488億円。前年の389兆円から6.7%増加。「付加価値額」は81兆327億円で、前年の64兆円から26.0%増となっている。
さらに、日本で製造したものを海外に出荷した金額「輸出額」は、2022年は98兆1736億円(食料品や原料品も含む)。前年に83兆円から11.6%の増加となり、年々右肩上がりの傾向にある。
総じて、日本の製造業で働く人の数、事業所数の数は年々減少傾向にある一方、出荷額や輸出額は微増を続けている。新興国と比較すると成長率では見劣りし、停滞しているように見えるが、現実の日本の製造業は、労働人口が減っていくなかで自動化・効率化を進め、売上・利益を増やし、輸出の拡大によって縮小する国内市場から海外市場へのシフトを進めている。市場の動きも個々の企業もこの流れに沿って動いており、よりこれを強固していくことが必要とされる。