【2024年 年頭所感】一般社団法人 日本電機工業会 会長 島田 太郎 CO2削減の定量的把握を

あけましておめでとうございます。

経済産業省をはじめ、関係省庁、関連団体、会員の皆様には、日頃より我々の活動に多大なるご支援、ご尽力を賜り、心より御礼申し上げます。

2024年の年頭に当たり、謹んで所感を申し上げます。

ロシアによるウクライナ侵攻の終結の目途が立たない中、10月、中東においてイスラエル・パレスチナ情勢が悪化し、世界経済は、ますます不確実な状況に陥りました。原材料価格や燃料価格の高騰により、我々の事業環境も厳しいものとなっていますが、困難な状況こそが新たな可能性を生み出すものであり、柔軟性と創造性を発揮して、新しいビジネスチャンスを見つけ出すことが求められます。

特にエネルギー分野では、2050年のカーボンニュートラルに向けて、発電時のCO2排出を抑制するために、大きな転換が求められています。一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)の事業領域を通じて我が国の2050年カーボンニュートラル実現に大きく貢献することを目的に、2022年にロードマップを策定いたしました。エネルギー供給面と需要面の両面から技術イノベーションで貢献し、またその社会実装に向けステークホルダーと議論をしていく際の礎となるものです。

カーボンニュートラルの実現には、電力・エネルギーの脱炭素化や電化・電動化、徹底した省エネ化の推進が重要ですが、そのためにはCO2の見える化が必須です。CO2の削減効果を定量的に把握することにより、社会に貢献していくという形を作らなければ達成できないと思っています。

エネルギー供給面では、再生可能エネルギーの主力電源化とそれに伴う電力供給の安定化、一方、需要面では、さらなる省エネ・高効率、AIやIoT等デジタル技術による機器・設備の高度化が肝要であると考えます。

さらに、既存技術に加えて様々な技術開発の促進が重要となって参ります。

例えば、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた『次世代型太陽光発電』や『洋上風力発電』、再生可能エネルギーを効率的に送る『直流送電』や電力貯蔵のための『蓄電池』『二酸化炭素回収・貯留技術』『水素・アンモニアへの燃料転換』といった様々な技術開発項目が挙げられます。さらに原子力分野では、原子力の再稼働が喫緊の課題である一方、『小型モジュール炉』等の次世代革新炉の開発・建設も重要課題として取り込む必要があります。今後JEMAは、ロードマップに基づき、2050年に向けた最適な電源構成や技術イノベーション、社会実装への課題や電力料金・エネルギーコスト等の付随する諸課題について、関係官庁、関係団体、会員企業と積極的に議論し、カーボンニュートラルの実現に向けて検討を進めて参りたいと思っております。

近年企業に対し、財務情報に加え、気候変動対応に関連する非財務情報等の開示が求められてきております。

JEMAとして、企業の取り組み努力や将来性にスポットを当て、企業価値の可視化を図り、市場創出のサポートにつなげる支援が必要と考えております。会員企業におけるグリーントランスフォーメーション(GX)への取り組み状況を把握し、対外的に訴求することを目的に、『JEMA-GXレポート2023年版』の制作を進めています。対象企業数を会員企業80社に拡大し、2024年度春の公開に向けて策定しています。

また、JEMA活動に関する嬉しいニュースとして、経済産業省が主催する第13回「キャリア教育アワード」において、「社会とつながる理科授業提案 JEMA プログラム」の活動が高く評価され、「経済産業大臣賞(最優秀賞)」を受賞しました。関係者の皆様に改めて御礼と御祝いを申し上げます。

最後になりますが、この一年の皆さま方のご発展と、さらなるご活躍を祈念いたしまして、私の新年のご挨拶とさせて頂きます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

https://www.jema-net.or.jp/

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