2024年の年始にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げるとともに、このたびの令和6年能登半島地震により被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。
現在、私たちを取り巻く世の中は、地政学的なリスクの増大、経済情勢の不透明さ、SDGsやカーボンニュートラルへの取り組み、AIの活用など、さまざまな環境変化が起こっています。また、デジタル化の進展により、ものづくりの革新や顧客価値の向上を視野に入れたビジネスモデルの変革が求められています。当工業会もこれらの劇的な変化への対応が急務であるという危機感を持ちながら活動を行っています。
日本電気制御機器工業会(NECA)の2023年上半期の出荷額は3,662億円(前年同期比94.3%)となりました。前年同期比で100%を下回るのは6期ぶりのことです。納期の問題は解消されつつあり、市場に在庫が積み上がり、発注が抑制されている影響や、地政学的なリスクが下半期の数字にどの程度の影響を与えるかが懸念される状況です。
市場では、産業構造の変革や新たなビジネスモデルの確立が求められています。その中で、当工業会では、2017年度にスタートした中期計画「NECAの将来ビジョン2025~3Sの進化~」において、2020年度までの4年間の第1ステップを終え、2021年度から2025年度までの第2ステップとして、「5ZEROマニュファクチャリング」を推進しています。この中で、「3S(Standardization・Safety&Security・Sustainable Society)」の進化を重視し、実行しています。しかし、外部環境の変化に対応した新たな活動の方向性を示すために、60周年を迎える2024年を開始時期とした中期戦略「新将来ビジョン」の構築を進めています。これにより、電気制御機器産業にとらわれず、制御技術の進歩と産業の将来像を見据えて、現在の提供価値を整理し、新たに提供すべき価値を具体化することで、NECAの魅力度と提供価値の向上を図っていきます。
今年は1月31日から「IIFES2024」が開催されます。「IIFES2024」は「MONOZUKURIで拓く、サステナブルな未来」というテーマで行われ、キャッチフレーズは「革新を止めるな!」となっています。今年もハイブリッド形式での開催が予定されており、リアル展示会は1月31日から2月2日までの3日間、オンライン展示会は1月31日から2月16日までの期間で行われます。当工業会は主催として、リアルとオンラインの相乗効果を最大限に活用した企画立案、実行、運営を行い、会員企業の出展による効果拡大と事業拡大を図り、会員企業の皆様と共に成功を目指しています。
日本電気制御機器工業会(NECA)は、関連団体や企業の皆様と協力し、製造業の発展と制御技術の進歩に貢献することを目指しています。引き続き、当工業会の活動にご理解とご支援をいただけますようお願い申し上げます。最後になりますが、今年一年が皆様にとって、そして日本の経済産業界にとって素晴らしい年となりますことを祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。