あけましておめでとうございます。
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
日本経済は昨年5月に新型コロナ感染症が5類相当となり、ようやく長いコロナ禍から脱して新たなステージへ移行し、インバウンドや対面型サービスを中心に消費が回復しています。昨年は30年ぶりの高い賃上げ率や、同じく30年ぶりの株価、設備投資の高まりなど好転の兆しが見えています。一方で、国際社会の地政学上の脅威や異常気象の頻発、これらによるサプライチェーンへの影響や為替変動、物価高騰などを受け、未だ不透明な状況が続いております。さらに日本経済は人手不足、物流の2024年問題、脱炭素などの大きな課題に取り組む必要があり、皆様におかれましては日頃のビジネス活動でご苦労されていることと存じます。
このような課題を持つコロナ禍後の新たな生活様式をけん引するのはデジタルサービスであり、電子データと通信チャネルを有効活用することでコミュニケーションのスピードと範囲、量、精度を格段に拡げ、ビジネス、生活の両面でデジタル社会の実現を加速させる必要があります。
自動認識技術は、1980年代初頭のPOSレジによるバーコード商品の価格読取・集計から急速に発展し、現在では、バーコードに加えて、RFID、生体認証、画像認識が業務の効率化・省力化を推進するテクノロジーとして浸透し、社会生活の利便性を向上させ、デジタル社会の情報基盤として不可欠なものとなっています。さらにデジタル社会の進化、拡大においても大きな役割を期待され、市場の拡大も期待されております。
また、DXやGXの持続型経済・社会環境では、これまで以上に高精度な情報基盤と自動化に対応した制御関連技術と機器の需要が高まります。少子高齢化の課題に向き合い、国内のすぐれた技術と製品・サービスを維持・向上していくために作業工程の標準化と新たな設備と研究開発におけるデジタル人材への投資が重要です。
当協会は、かねてからデジタル人材育成のため、各種セミナーと自動認識技術者資格認定講習・試験を実施しております。自動認識技術の国内唯一の「自動認識技術者資格」は既に基本・専門の資格を併せて約3,000名がこれまでに取得され、業界で活躍されています。また昨年は、将来の業界を担う人材育成を目的として、大学生の展示会見学や小学生にバーコードとICタグを体験してもらうなど、新たなイベントを実施いたしました。
当協会は、本年も人材育成をはじめ自動認識市場の拡大と活性化に向け、展示会の開催、研究開発センターの活動をさらに充実させ、会員企業の皆さまとともに総合的な自動認識技術の活用促進をより広範囲に進めてまいります。そして、業界関連団体や関連省庁との連携をはかり、経済の発展に貢献してまいります。
2024年が皆様に実り多き年でありますよう、そして皆様のご発展を祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。