日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、2023年度から2025年度までの日本製半導体製造装置・FPD製造装置の需要動向の調査・予測結果を公表した。2023年度の日本製半導体製造装置の販売高は前年度比19%減と厳しい状況になるが、2024年度には回復して成長を続け、2025年度には4兆9151億円になると予測した。
最悪期を脱した半導体産業 2030年に1兆ドル目標
2023ー2025年度までの半導体産業は、2023年は世界的に消費が減退してPCやスマートフォン出荷台数も伸びず半導体もメモリを中心に価格が下落。一方で生成AI向けのサーバー用半導体の需要拡大をはじめ、需給バランスも改善され、すでに最悪期は脱しており、2024年からは新たな半導体のリリースやデータセンター投資、PCやスマホの需要回復も期待されている。
WSTS(世界半導体市場統計)が昨年11月に発表した最新の半導体市場予測では、2023年の世界半導体市場規模は前年比9.4%減の5201億ドル、2024年は13.1%増の5884億ドル、2030年には1兆ドルを目指すし、半導体製造装置も同様に中期的な高い成長率が見込まれている。
半導体・FPD製造装置ともに24年から再拡大
日本製半導体・FPD製造装置の販売高は、2023年度は全体で19.6%減の3兆4981億円の見通し。2024年度から回復して25.4%増の4兆3,880億円となり、2025年度は12%増の4兆9151億円と予測。
このうち半導体製造装置は、2023年度はメモリー価格下落による設備投資削減の影響が大きかったものの、米国等の対中輸出規制外の分野における中国投資が堅調である点を加味して19%減の3兆1770億円と予測。2024年度はロジック・ファウンドリーに続いて、後半には DRAM の本格投資回復も期待でき、27%増の4兆348億円となり、2025年度には各国政府の支援の下、多くの大型設備投資が計画されている影響で10%増の4兆4383 億円まで拡大すると見通している。
FPD製造装置は、2023年度は25%減の3211億円だが、2024年度はG8基板でのOLED投資が本格化し、TV市場も新しいハイエンド製品シフトに向けた投資が出てくることから10%増の3532億円、2025年度には韓国と中国で同時にG8クラスのOLED投資の本格化が見込まれており、35%増の4769億円と予測した。