2023年上期は、過去最高の売上を記録した。その一方で、顧客各社は従前に発注していた先納期の注文分が手に入るようになって、在庫がだぶつきだしている。新規の受注を考えると、年内前半は特に、楽観できない状態が続くのではないかと考えている。
この数年は常に何かしらの部材で供給不安が発生しており、ひとつの部品が手に入らないだけでユーザーは製品を納品できず、苦しんでいる。商社が提供する価値の1つは、問い合わせれば物があることであり、万一なかった場合でも代替品を提案して提供できることだ。当社は在庫を機種・数量の両面で豊富に持っていることが強みであり、現在も大阪府堺市の南大阪物流センター内に倉庫の増設を進めており(2024年4月稼働予定)、保管機能を強化している。物流の2024年問題に対しても専属の配送チームを組織化して配送体制を確立し、在庫と配送の両面を整備して将来へ備えてきた。
人手不足で新規採用が難しくなる中、採用の強化と同時に、いま働いている人々に長期間、安定的に働き続けてもらうエンゲージメント施策が大事になっている。遠隔地でのフルリモート勤務や時短と在宅の組み合せなど、多様で柔軟な働き方を模索しており、今後一層制度の拡充を図りたい。
2024年は、長期テーマである「顧客感動」に向けて、サブテーマとして「温故知新」で取り組んでいく。楽観できない局面は昔から何度もあり、チャレンジングな取り組みで乗り切ってきた。過去に積み上げてきたことが信任されたからこそ今の状態があるわけで、環境や価値観の変化が激しい時代であるからこそ、本質をつかみ取り、現在に生かしていくことが大切だと考える。あらためて歴史の積み上げの上に今があることを学んでもらいながら、強みや特色を磨き上げて商社としての存在価値を高めていく。
【各社トップが語る2024】サンセイテクノス「《温故知新》で価値向上」代表取締役社長 浦野 俊明
- 2024年2月9日
- FA業界・企業トピックス
- 2024年1月31日号, サンセイテクノス, 各社トップが語る
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