昨年から続く電線の不足と納期問題。原因として、コロナ禍が明けて建設業における新規・再開案件の集中、大阪万博、はたまた半導体工場向けの需要急増、不足感から来るパニックバイなど理由が挙げられているが、これと言って決定的な事項はなく、入手困難なまま。新規受注の停止、納期回答もできない状況が続いていたが、ここに来て新規受注が再開し、解消への道が開けてきた。
住電HSTケーブルは、1月15日に建設電販用6600V高圧ケーブルの新規受注を再開。2月1日には在庫品の概算納期を公開し、新規注文分の納期は低圧CVケーブルは2・3ヶ月、高圧CVケーブルは6カ月ほどかかる見通し。
矢崎エナジーシステムは3月6日から、低圧の電力用ケーブル、制御用ケーブル、屋内用絶縁電線の全サイズの新規受注を再開し、3月21日から納入を再開する。一方で、高圧の電力用ケーブル、耐火ケーブル、600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル等は引き続き新規受注停止となっている。
フジクラ・ダイヤケーブルは新規受注を再開。2月5日再開分の概算納期は、電力用ケーブルの600Vビニル絶縁電線のIVと制御用ケーブルのCVVで3〜5カ月。低圧CVは3〜4カ月となっている。3月5日再開分の高圧CVは4〜5カ月、機器用電線は3〜4カ月となっている。
SWCCは、IVと600V CV・CVT、CVV(エコ、遮蔽付き、難燃などの派生品含む)製品の新規受注を3月1日から再開。概算納期は、IVで0.5〜1カ月、600V CV・CVTで0.5〜1.5カ月、CVVで0.5〜2カ月とし、600V CVD、CVQ、600V超 高圧ケーブルは新規受注停止のままとなっている。
協和電線工業はVVFの概算納期は1カ月、弥栄電線もVVFは1〜2カ月、富士電線工業もVVFは1.5カ月、VVF以外のビニル系電線全般は3カ月となっている。
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