国際ロボット連盟(IFR)は、従業員1万人あたり使われているロボット台数を表す「ロボット密度」を調査し、2022年には世界で従業員1万人あたり151台のロボットが導入して使われているとした。国別では韓国、シンガポール、ドイツが高く、日本は397台で4番目となった。
産業用ロボット市場は年々拡大し、2022年には世界で390万台が稼働中となり、それに応じてロボット密度も年々高まっている。ロボット密度の高まりは「イコール自動化の進展状況」でもあり、自動化指標としても使うことができる。世界のロボット密度は2013年には53台だったが、年々急成長を続け、2019年に初めて100台を突破し、最新の2022年には151台となり最高記録を更新。2016年から7年で2倍まで高まった。
地域別ではEUが最も高く、従業員1万人あたり208台。続いて北米が188台、アジアは168台。EUはドイツを筆頭に、スウェーデンやスイスが高く、各国が平均的に高めとなっている。北米はアメリカとカナダが平均を上回り、中南米は低め。アジアは韓国、シンガポール、日本、中国、香港、台湾など密度の高い国とそうでない国との差が大きく、平均にならすと168台となっている。
国別では、韓国が1012台とひとつ頭抜けてトップ。2017年以来、毎年平均6%で増加している。韓国経済はエレクトロニクス産業と自動車産業が強く、ロボット導入・自動化を牽引している。2位はシンガポールの730台。製造業の従事者が少ないことから高めとなっている。3位はドイツで413台。EUのなかでもトップで、2017年から5%の成長率で伸びている。4位が日本の397台。日本は世界でもトップのロボット製造国で生産・出荷金額と台数の急成長に合わせ、ロボット導入も進んで年平均7%で増加している。5位は中国の382台。製造業の労働人口は3800万人と言われ、膨大な労働力があるなかでもロボット導入が進んでいる。アメリカは285台で10位となった。
https://ifr.org/ifr-press-releases/news/global-robotics-race-korea-singapore-and-germany-in-the-lead