半導体など主要産業の設備投資回復は下期へ 海外は厳しさ続く
部材不足による特需の反動を受け、在庫調整のなかで厳しい状況が続く2023年度のFA機器市場。2024年度の市況はどうなるのか?JEMA(日本電機工業会)とNECA(日本電機制御機器工業会)が2024年度の市況見通しを発表した。
上期好調・下期低迷の2023年度
2023年度の見込みについて、JEMAによると、重電機器の国内生産見込みは前年度比1.3%減の3兆6277億円。発電用原動機が22.2%減と大きく減らし、モータなど回転電機機械は1.8%減、変圧器やインバータ、サーボアンプなど静止電機機械は6.6%増、リレーやPLCなど開閉制御装置・開閉機器は2.4%増となり、全体としてほぼ横ばいとなった。製品別ではサーボモータやPLCは半導体と電子部品産業の設備投資抑制の影響で前年度を下回り、インバータは部材不足の解消によって生産が進んで前年度を上回る見込みとなっている。
NECAによると、電機制御機器の出荷見込みは前年比15.1%減の6896億円。うち国内が4298億円(6.8%減)、輸出が2598億円(26.1%減)となった。国内は、上期は受注残の消化で好調だったが、下期は在庫調整と半導体など主要産業で設備投資がひと段落したことで低調に推移している。輸出は2Qから中国を中心に全仕向け先で在庫調整が入って低調に推移した。
2024年度の受注回復は下期に
2024年度の予測について、JEMAはほぼ横ばいの3兆6351億円(0.2%増)の見通し。国内・海外ともに電子部品や半導体産業の設備投資の抑制解消は年度下期になるとしている。
NECAは2023年度を若干下回る6610億円(4.1%減)の見通し。国内は上期は在庫調整が続き、下期に半導体など主要産業の回復が見込まれるが、通期では4200億円(2.3%減)。輸出は、上期は景気回復の兆しが見えず、下期に受注回復を見込むが、通期では2410億円(7.2%減)の前年割れを見込んでいる。
https://www.jema-net.or.jp/Japanese/data/mitoshi/index.html
https://www.neca.or.jp/wp-content/uploads/PressRelease_stat-prospect-2023and2024-1-1.pdf