補助金の枠組みを拡販のチャンスに 中小企業省力化投資補助金の詳細公表

省力化機器の導入支援 AGV・AMR、自動倉庫、仕分け機も対象に

経済産業省と中小企業庁は2024年度の補助金として、中小企業が人手不足解消や生産性向上を目的にIoTやロボット、自動化設備の導入を導入する際に補助を行う「中小企業省力化投資補助制度」について、公募要領、申請フローとスケジュール、現時点で補助金対象となる製品カテゴリ等の詳細を公表した。

中小企業省力化投資補助制度は、人手不足の状態にある中小企業等を対象に、IoTやロボットなどの付加価値額向上や生産性向上に効果的な汎用製品を「カタログ」から選択・導入することで、中小企業等の付加価値や生産性の向上、さらには賃上げにつなげることを目的とした補助金制度。
汎用的で、それ単体で省力化につながる自動機械・装置について、関連工業会が中小企業庁に対して「製品カテゴリ」として登録申請し、それが認められると、製造事業者(メーカー)が該当する自社製品を「カタログ」として工業会に登録申請し、審査に合格すると補助金対象製品として認められ、補助金事務局のホームページに掲載される。
エンドユーザーの中小企業は、商社など販売事業者とタッグを組み、カタログのなかから製品を選んで共同で申請を行い、事業を完了して支給を受けることができる。補助上限額は、従業員数5名以下の中小企業の場合は200万円、従業員数6〜20名では500万円、従業員数21名以上は1000万円。補助率は2分の1以下で、賃上げ要件を達成した場合はさらに補助上限額は引き上げられる。
工業会とメーカーがカテゴリと製品を揃え、販売事業者、エンドユーザーがそのなかから必要なものを選ぶ形となり、自由度こそ高くないが、明確に枠組みが決まっていて使いやすく、迅速に対応しやすいものとなっている。
現在、関連工業会から製品カテゴリ申請を受け付けている段階ではあるが、すでにいくつかの製品カテゴリが承認されており、現時点での承認された製品カテゴリは、清掃ロボット、配膳ロボット、スチームコンベクションオーブン、券売機、自動チェックイン機、自動精算機。製造業向けにも自動倉庫、検品・仕分システム、無人搬送車(AGV・AMR)が承認されており、これから各メーカーから製品カタログ登録の受付が開始される見通しとなっている。
今後、上記の製品を持つメーカーは自社製品を登録申請し、認められると補助金対象製品となって販売ルートが開拓でき、上記カテゴリの商品を取り扱っている販売店はメーカーに対して申請を促すと同時に、エンドユーザーに対して提案をすることでビジネス機会が生まれてくる。補助金はエンドユーザーの設備投資のきっかけになる良いタイミングであり、メーカー・商社はこれを有効活用することが重要だ。

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