三井化学とマイクロ波化学は、マイクロ波を活用した環境負荷の低い革新的な炭素繊維(CF)製造に関する実証設備を三井化学名古屋工場内(愛知県名古屋市)に完工した。既に2024年1月より試運転を開始しており、両社で量産化技術の確立に向けた検討を進め、2024年度内を目標にCFサンプルの供給開始を目指す。
新技術は、対象を内部から加熱できるマイクロ波の特性を生かし、無駄な加熱を徹底的に排除した革新的なプロセスとなる。従来法と比較して加熱処理時間が大幅に短縮でき、焼成プロセスのラインが短くなり、設備をコンパクトにすることが可能。さらに装置自体の温度が高温にならないため、装置コスト、エネルギー消費、安全面でもメリットが見込まれる。エネルギー消費量を50%削減でき、将来的にはマイクロ波を発生させるための電源を再生可能エネルギーに変更することで90%以上のCO2排出削減できる見込み。
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2024/2024_0208_2/index.htm