約2カ月前、業務を進めるにあたり、専門書が必要になったため、Webサイトで書籍を購入しようと思いましたが、自分の求める専門書が電子版しかないことに気付きました。その時、紙の書籍の魅力について改めて考えさせられました。漫画をはじめ、雑誌や新聞などは電子化され、その利便性や持ち運びの容易さが評価されていますが、専門書においても電子化の波が押し寄せてきている現状がありました。よくよく考えてみますと、専門書は出版数が多くありませんので書籍として在庫をもつより、電子書籍の方が良いのかと思います。
そんな書籍についてですが、出版科学研究所の『出版指標 年報 2023年版』によれば、電子書籍が増え続ける中で書籍市場は依然として健闘していますが、読者層は高齢化へシフトし、学習参考書や児童書などの教育系分野の需要は比較的安定していると述べられています。この結果から、紙の書籍が完全に消え去ることはないと考えられますが、少しずつ需要が低下していくと推測されます。
最近は電子書籍が流行していますが、私は電子書籍よりも紙の書籍が好きです。たしかに電子書籍は便利ですが、その便利さが逆に、読書そのものが情報の取得だけに過ぎなくなる可能性があります。個人的な感覚になりますが、紙の書籍の方が手でページをめくり、脳に深い印象を残すと感じています。また、紙の書籍は単なる情報の伝達手段に留まらず、記憶に残る体験やコレクションの要素もあります。本との出会いは、どこで、どのような気持ちで読んだかといった状況や感情と共に記憶されていると思います。
私自身、エネ管や電験3種の国家資格を取得する際に、何度も読み返してボロボロになっている参考書が今でも本棚に置いてあります。その参考書を見ると、昔の頑張りや仕事の後や休日に勉強した記憶がよみがえります。妻からは使わないのなら場所をとるだけだから捨てればと言われますが、私は当時の努力の証として残しています。このような体験は、電子書籍では得られないと感じています。
この電子書籍と紙の書籍について考えると、ふと気になることがありました。最近の子供たちは紙の書籍と電子書籍、どちらが好きなのか。
学校からタブレットを支給されて宿題をしたり、こどもチャレンジをタッチパネルで取り組んだりしてきた自分の子供たちに「どちらが好き?」と聞いてみました。電子書籍やどちらでも良いと言う回答が返ってくると予想していましたが、意外にも紙の方が好きだという返答でした。彼らは、紙の本が持つ触感やページをめくる音が好きで、紙の方が読んだ感じがすると言っていました。色々な子に聞いたわけではありませんが、世代が変わっても紙の魅力は変わらないと感じました。
電子書籍が悪いというわけではありませんが、紙の本は単なる読書の道具ではなく、個々の記憶と感情をつなぐ媒体であり、紙の魅力は、電子書籍が増え続ける中でも色褪せることはないと感じます。一方で、電子書籍には場所をとらない、いつでもどこでも読書が可能といった利点もあります。それぞれの媒体には独自の良さがあり、必要に応じて使い分けていきたいと思ったこの頃でした。
後日、電子書籍版の専門書を購入し、パソコンの画面で読み始めました。電子版では単語を検索でき、必要な情報をすぐに探せるのがいいところですね。
【著者プロフィール】
シマタケ
共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。現在は某製造メーカーの生産技術担当。エネルギー管理士、第3種電気主任技術者、第2種電気工事士
機械保全技能士電機系2級、工事担任者(現DD第1種)、2級ボイラー技士、消防設備士(乙6、7)、危険物取扱者(乙4)など多数の国家資格を取得。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士も取得。
「電気エンジニアのツボ」でブログとYoutubeで情報を発信中