武田薬品工業は、山口県光市の光工場で、炎症性腸疾患(IBD)の治療に用いられる薬剤「Entyvio」の新製造ラインを増設した。
新ラインの充填工程には、従来の無菌製剤製造工程に比べて汚染のリスクを大幅に減少できるアイソレータ(無菌状態の密閉環境)の技術を採用。さらに、「滅菌済シングルユースシステム」を使用することで、製品の汚染防止を図り、品質保証を向上。さらにEntyvioの製造能力をこれまでの3倍以上に増強し、これまで外部委託していたEntyvioのバイアル製剤の製造の大部分を内製化することが可能となった。
全長約80mの新製造ラインは、製造DXの最新技術を集約し、製造状況のリアルタイムモニタリングと集約したビックデータの分析、さらには製造工程へのフィードバック、検査や生産ロスを減らす最新設備やMES(製造実行システム)の導入などで、製造能力の増強とペーパーレスなオペレーション、さらなる品質保証を可能にしている。
また新ラインのオペレーターにとって新しい技術であったシングルユースシステムを用いた作業トレーニングにAR技術を活用することで、短期間で質の高い育成を可能にし、商用稼働前の初回製造(プロセスパフォーマンス適格性確認)を逸脱ゼロで成功。さらにはVR技術を使った無菌環境でのトレーニングにより、どのオペレーターも等しく、Entyvioを製造することを可能にした。
https://www.takeda.com/ja-jp/announcements/2024/entyvio-line