3年ぶりの前年割れ 上期堅調も、下期の在庫調整と景気悪化響く
日本電機工業会(JEMA)と日本電機制御機器工業会(NECA)は、それぞれ2023年度のFA制御機器の年間出荷統計をまとめた。前年から続いた部材不足と納期問題、受注残は解消に向かったが、流通在庫の増加によって受注が低迷し、いずれも3年ぶりの前年割れとなった。
インバータ好調、PLC、サーボモータは海外苦戦
JEMAがまとめた2023年度の産業用汎用電機機器の出荷実績によると、2023年度の出荷額合計は前年度比8%減の7772億円で3年ぶりのマイナス。しかしながら2010年度以降では、2017年度、2022年度に続く過去三番目の実績。半導体や電子部品関連業界向けの需要減少が響いた。
品目別では、回転・駆動機器は6.4%減の3470億円。うち汎用インバータは生産回復によって国内・輸出共に好調で21%増の1001億円、サーボモータは輸出が大きく減速して14.7%減の1862億円となった。配電制御機器は11%減の3872億円。うちPLCは海外需要の減少によって21.5%減の1421億円、低圧遮断器は13.9%減の915億円、電磁開閉器は16.8%減の264億円となった。
海外市場の低迷が響く
日本電気制御機器工業会(NECA)がまとめた2023年度の自主統計による電気制御機器の年間出荷統計によると、出荷総額は前年比17.2%減の6723億円。うち国内は9.2%減の4185億円、輸出は27.8%減の2538億円。輸出比率は5.6ポイント減少し、37.7%となった。上期は、前年から続いた納期問題と先行発注による受注残の解消に向けて各社が増産をかけたことで堅調に推移したが、一方で下期は受注残が進み、先行発注の影響によって在庫調整が発生して受注が減速し、海外市場の低迷もあって国内・輸出共に急激に出荷が減少した。
品目別では、5大品目すべてで前年割れ。操作用スイッチは343億円(27.6%減)、検出用スイッチは997億円(22.2%減)、制御用リレーは1576億円(16.9%減)、PLC・FA システム機器は2465億円(20.1%減)、制御用専用機器は1342億円(3.2%減)となり、特に PLC・FA システム機器の出荷額が20%以上減少したことが大きく影響した。
https://www.jema-net.or.jp/Japanese/data/2024/24.03/2403jds-comment.pdf
https://www.neca.or.jp/wp-content/uploads/PressRelease_statAnnual2023.pdf