地球環境問題への対応が国際的に進む中で、再生可能エネルギーの活用が進んでいる。
ドイツのフエニックス・コンタクト社は、再生可能エネルギーの生成、変換、保管、分配、使用を可能にする多数の方法を1カ所にそろえ、これらがどのように相互に繋がっているかの理解を深めることができる「All Electric Society Park(オール・エレクトリック・ソサエティ・パーク)」を、本社のあるブロムベルグに開設している。
7860平方㍍の敷地には、屋外展示スペースに直径12㍍の大型ソーラートラッカーやルーフパネル、窓一体型のソーラーパネル、歩道に埋め込まれた歩行可能なソーラーパネルなど約550枚のソーラーパネルで、15万5000kWのグリーンエネルギーを発電しているほか、36のエアロリーフを使った「風の木(ウィンドツリー)」による風力発電を行っている。また、風力発電機のナセル部分の実機も置いている。傍から見るナセルの大きさは巨大で、内部に入って機械室を見ることも可能だ。
オール・エレクトリック・ソサエティを実現する透明な大型キューブのパビリオンでは、太陽光、風力、火力、水素、水など多数の再生可能エネルギーの発電と活用方法に至る仕組みの説明に3Dビューを駆使して紹介。さらに、QRコードで詳細情報にもアクセス可能にしている。太陽光と風力、ヒートポンプと変換プロセスを利用した再生可能熱エネルギー、最先端のバッテリーと水素合成システムを利用したエネルギー保管システム、貴重な水資源を持続可能な方法で使用するために取れる協力体制の仕組みなどを紹介している。
同パークでは、再生可能な形で発電された電気エネルギーのみが使用さているが、国際的にはまだ化石燃料を使用した社会となっている。そこで既存の資源を最適な状態で使用し、世界中の人々が平等に利用可能な状態とするために、モビリティ、エネルギー、インフラ、産業など、仕事や生活におけるすべての側面をリンクし、必要に応じてエネルギーが自動的に分配され1つのシステムを形成するセクターカップリングの実現も目指している。
「Empowering the All Electric Society」を掲げ、持続可能な社会を目指しオール電化社会の実現を掲げて取り組むフエニックス・コンタクトは、この公園は、住民に無料開放しており、現存する技術的な可能性を探るとともに、今後の課題解決に向けてどのような利用が出来るかを提案している。