「スイミー」の物語をご存知だろうか?子供の頃に教科書に載っていて読んだことがある人も多いかもしれないが、なぜかとても印象に残る話で、勇気と知恵と工夫の大切さを学ぶことができる素晴らしい話だ
あらすじはこうだ。黒い小魚のスイミーは、多くの仲間が大きな魚に食べられてしまい途方にくれて隠れていたが、勇気を出して岩陰から出たところ、素晴らしい光景が広がり、楽しくなってしまった。それに感動したスイミーは別の仲間のところに一緒に泳ごうと声をかける。一旦は断られたが、小魚がひとつにまとまって泳ぎ、目の部分に黒い小魚のスイミーが入ることで巨大魚に偽装することができ、大きな魚を圧倒して追い払うことができた。その後、スイミーたちは楽しく海の中を堂々と泳げるようになったとさ。
日本の製造業、FA業界が目指す姿はスイミーにある。決して一社単位で見れば大きくなく、弱い存在かもしれない。でも、それぞれが自分の役割を演じきり、スイミーのような異色の存在にも適した役割が与えられ、皆で力を合わせて幸せを勝ち取る。とても綺麗で理想的なストーリーだが、日本にはそれぞれに個性を持った中小企業が多く存在するため非現実的な話でなく、実現可能性も高い。
日本の製造業の強みは技術を持ったさまざまな中小企業が沢山あること。ただ今まではそれらの多くが小さなお山の大将で、まとまっているようでまとまっておらず、強みを最大限に発揮できていなかった。今は情報共有や連携するツールが豊富にあり、コラボや共創という形で企業連携も当たり前になっている。また経営者も危機感も強く持っており、同じ思いを共有しやすい環境もある。生きていくために協力する。まさに今がチャンスなのだ。