富士電機は、素材・加工組立産業等の生産現場における脱炭素化、DX実現に向けて、電力損失の低減と通信データ量を増大したプラント用ドライブ装置「FRENIC-GS」を発売した。
同製品は、モータ制御における電力損失を低減し、通信できるデータ量を増大させたプラント用ドライブ装置。製鉄所の圧延機などの生産設備や港湾クレーンではモータを動力源とし、減速・停止する際に生じる回生電力をインバータやコンバータで電力変換を行なって電源系統に戻して他のモータの運転等に再利用しているが、同製品は回生電力を電源系統に戻すことなく再利用。電力変換の回数を減らして変換時の損失を抑え、消費電力量を最大で4%程度低減。さらにドライブ装置でモータを制御する際に発生する電源波形のひずみを抑えて損失を低減している。
また高性能CPUの適用と通信ネットワークを分離して通信できるデータ量を増大。一般的なプラント用ドライブ装置は設備の稼働状況や故障状況等を記録・監視するための情報収集とモータ制御のデータ通信を同一のネットワークで行い、制御のためのデータ通信を優先しているが、同製品は装置本体に高性能CPUを採用してデータ処理能力を向上させ、情報と制御のネットワークを分離して、応答性などの制御性能はそのままに、通信できるデータ量を増大させた。
さらに、変換装置の冷却構造と盤の風洞構造を改良して冷却効率を高めて放熱スペースを削減して小型化を実現。従来品に比べて20%小型化し、省スペース化が可能。
日本、中国、アジア、インドを中心に、鉄鋼・非鉄や紙、セメント、石油化学等の素材産業、自動車等の加工組立産業、港湾および建設等のクレーンなどに提案を進めていく。
https://www.fujielectric.co.jp/ir/news/detail/1203762_4855.html