そろそろ限界を超えて表出してくる頃だ。すでに至るところで染み出している。水は高いところから低いところへ流れる。人はよりラクで便利な方に流れる。いったん始まってしまえばその勢いを止めるのは難しい。はじめはごく一部の小さな動きかもしれないが、10年もしないうちに無視できないところまで成長するのは間違いない。その時に備えて私たちはいま何をするべきか。備えあれば憂いなし。やる/やらないのいずれにしても、確たる考えを持って対応する必要がある。
流れに乗らない、逆張りして現状維持をするという選択肢もありだ。全てが白か黒のすべてに塗り替えられるわけではないからだ。ある用途では白を、別のアプリケーションでは黒を使う。また選択肢は白と黒だけではない。色はいくつもある。時と場所、用途、予算、客の要望それに合わせて最適なものを選べば良い。しかし、だからと言って安心してはいけない。ガラケーがスマホになり、もはやガラケーの新製品が出なくなり、手に入らなくなったのと同様に、技術のメインストリームから外れれば、今までのような融通は効きにくくなる。そのデメリットをどう判断して対応するか。それは個社個人の決断だ。
まわりくどく言ってきたが、いまPLCに代わってPCやソフトウェアで行う制御や監視への関心が、メーカー、エンドユーザー、その間に立つ商社やSierで、今までにないほど高まっている。どの取材先に行って話をしても、皆興味を持っていて、情報を知りたがり、自らも対応を検討している。すでに欧米はいち早く着手している。欧米の影響が強いアジア、中国もそれに追随している。ではPLC文化が根強い日本はどう対応していくか?まもなくPCやソフト制御の波が来る。それは間違いない。日本のFA業界は曲がり角、分岐点を迎える。その波は、確かに日本にとって脅威ではあるが、対応の仕方次第では大きなビジネスチャンスになる可能性を秘めている。備えはあるか?今からでも遅くない。本気で考えよう。