海外のFA機器メーカーのWEBサイトを見ると「コンフィギュレーションツール」が実装されていて、目立つところに配置されていることが多い。WEB上で製品選定やちょっとしたカスタムの図面が作れ、その3Dデータをダウンロードできたり、一部の企業ではそのまま購入までできる。使い慣れると相当に便利で、手放せなくなるらしい。最近はさらに機能が強化され、単なる便利ツールの枠を超えつつある。
ある企業では、外部ツールとの連携を強化し、CADはもちろんのこと、MESやPLM、ERPなどともつながり、どんどんと拡張の口を広げているそうだ。また別の企業では製品データの質を充実させ、外形図や定格といった基本データに加え、その製品のCO2排出量、発熱量といったデータを加えるようになっている。CO2排出量はカーボンニュートラルに向けた対応、発熱量は設計者が熱対策を考える際の参考データとするためとのこと。これまでは設計者が図面を作る時のデータを取り出すだけのツールだったのが、CADと同じく、デジタルツインを構成するデータを生成したり、より高付加価値な盤を作るために最適な製品を探すツールというように、デジタル化時代の製造業におけるデータ活用を支える重要ツールに進化しつつある。
「もの」を納めれば評価された時代は終わり、いまは「こと」と「もの」と合わせて、分かりやすい価値を提供することで評価される時代になっている。分かりやすい価値=データであり、メーカーは、設計者はもちろんのこと、製造や保全の担当者、さらにはエンドユーザーが必要とする、またはあったら便利だと思われるデータを付与することがユーザーの支持を生む。デジタル時代の勝負どころは、多くのデータをオープンにし、且つユーザーが好きな時に出せるようにすること。まさに「コンフィギュレーションツール」が重要になる。