富士電機機器制御は6月28日、全国4カ所で予定されているプライベート展示会「新形電磁開閉器 SC-NEXT 発売記念 富士電機機器制御プライベート展 盤の未来を考える強い製造現場の実現に向けて」の第1回目となる埼玉県桶川市の吹上事業所会場を開催した。天候はあいにくの雨模様だったが、約1000人が参加する大盛況となった。
同展は、35年ぶりにリニューアルした電磁開閉器「SC-NEXT」の発売を記念して行っているもので、今回の吹上事業所会場を皮切りに、7月12日に大阪、7月26日に名古屋、8月30日に福岡での開催が予定されている。新しくなったSC-NEXTを中心に、制御盤の未来にスポットを当て、現状の制御盤業界の課題と具体的な解決策、効率化、生産性を高める機器やコツ、ソリューションを提案するものとなっている。
吹上事業所会場では4つのゾーンに分かれ、機器などを展示する主会場と、全自動電線加工機を展示したラボ、セミナー会場、ショールームを使って行われた。主会場は、SC-NEXTを大々的に紹介する「新形電磁開閉器」、制御盤DX実現を手助けする協賛会社の展示を中心とした「盤製作における生産性向上」、制御盤DXで実現する未来の制御盤の形となる「次世代制御盤」、カーボンフットプリントや海外規格などへの対応法を紹介する「課題解決ソリューション」、受配電盤の更新に役立つ製品を紹介する「受配電リニューアル」の5つのテーマに分け、それぞれに適応した展示を実施。
新形電磁開閉器ゾーンでは従来製品との比較や変更点を中心に紹介して興味を引いていたほか、盤製作における生産性向上、次世代制御盤は主会場で最も人気のあったゾーンで、電気CADを使った設計効率化、電線加工機や工具を使った製造準備工程の省力化、電気CADのデジタル配線指示機能による知能化と制御盤の各工程における効率化手法を紹介し、全部を取り入れることで制御盤DXの生産工程が出来上がることを提案した。
次世代制御盤では、小型化やユニット化など生産性を高め、盤の付加価値を高める新しい形の制御盤とその技法を数種類並べてデモを行った。
セミナーでは「北米規格対応ソリューション/新形電磁開閉器 SC-NEXT」、「生産性向上の取り組み」「次世代制御盤2030の将来と展望/新形電磁開閉器 SC-NEXT」の3種類の講演を実施。定員100人で各回1回の予定だったが、申込者が増え、当日参加希望も多かったことから回数を増やして対応。各講演ともに、人手不足対策としての機械化・自動化需要の高まりで制御盤需要は高いにも関わらず、制御盤業界も人手不足で作れるキャパを増やせないという制御盤業界の悩ましい現状を解説し、それに対する解決策や未来の姿を提案した。
同展は、制御盤とその現状と未来にフォーカスしていたため展示もセミナーも内容が濃く、総じて質が高く、来場者から漏れ伝わる話やスタッフとの会話を聞いていても熱気が感じられ、当初計画よりも大幅な参加者増も果たした。
次回は7月12日大阪開催となり、梅田スカイビル36階で行われる。
https://www.fujielectric.co.jp/fcs/feature/privateexhibition_2024.html