デバイスとは回路、システムの構成単位である。ITでよく見かける構成単位に情報端末デバイスがある。これはパソコン、スマホのように単体で動作し、インターネットにつないで使う。もう一つは周辺デバイスがある。これはキーボード、USBメモリーやマイクのように情報端末につないで使う機器類である。FA商品は機器であってもパーツであっても回路やシステムを構成する単位の商品デバイスである。さしずめPLC・PTやリレーユニットなどのコントロール機器はFA端末デバイスであろう。それにリレー単体、センサーやスイッチ等はFAの周辺デバイスと言うのかもしれない。現在ではバラエティーに富んでいるFA商品ではあるがこの隆盛をきわめているFAマーケットはマイクロスイッチとリレーから始まった。FA元年は一九五十六年に現在のセンサーの先駆けとなるマイクロスイッチの国内生産の年である。その前年にソニーがトランジスタ製作に成功している。トランジスタの性能が良くなり、スイッチング動作や論理・記憶回路を構成するリレーの代り使用されるようになって多くの新製品が誕生した。FA業界でもそれまでは機構式で作られていた電力の継電器類やタイマー、カウンター等が電子回路にまず変った。更にトランジスタ等の半導体素子の進化により、新しいFA商品が生まれた。そのFA商品は複合化、多機能化、高性能化しFAマーケットは大きくなってきた。半導体の進化、普及が始まった当時FA営業では将来は回路を構成するリレーは全て半導体に代るためにリレーは売れなくなると言われていた。しかし半導体では代替しにくいリレーの使い方がある。例えば増幅機能は今でも半導体よりは良いし、単純な回路やスイッチングは半導体を使うより簡単で安価なのでリレーは堅調である。FA商品は文字通り工場のオートメーションを構成する部品や機器であった。80年代に入って生産技術と半導体技術は日本の国力を牽引した。日本経済がバブルに向った時期にFA商品は二つのマーケットに分れて発展した。一つは生産技術が牽引する工場の製造現場向けのマーケットでありも2つは半導体技術が牽引民生、業務、産業機器向けマーケットである。同じルーツを持つFA商品であるが現在FA商品と言えば製造工場で使われる機器を意味する。もう一方の民生、業務、産業機器に組み込まれるFA商品は電子機構部品やオンボード部品と言われて売上を拡大している。製造現場向けのFA機器の発展経過を見ると品揃えは90年代にひと通りそろって、その後は商品の高性能化や既存商品を組み合わせ技術によって複合化する商品がふえた。今後のFA商品はFA究極の複合化商品としてロボット系の製品に向うことになる。又情報技術の製造現場進出によりFA技術とIT技術の重なるどころにFA機能とIT機能がユニット化した商品が生まれるだとう。したがってFA系の商品を売ってきた販売員はますますロボット化が進み、価格は高額になると思うことだ。そして高額な設備の決定者は上位管理者であるから営業のやり方は従来のFA営業のやり方では意味がない事を知ることだ。又FAとITの狭間で生まれる商品はどちらかと言えばIT系の技術者に決定権があるだろう。だから営業が訪問する相手をかえねばならない。一方オンボード部品や機構部品といわれるFA商品の販売先は社会
が発展するとともに業務用機器の種類がふえる。それらを作る企業はベンチャー的であり百花繚乱の如くふえていく。これらをキャッチするアンテナ営業とアプローチ力を強くする必要がある。