CEATECとモビリティショー同時開催の大英断 DXはかくあるべし

10月15日から4日間、幕張メッセでCEATECが行われる。今回はジャパンモビリティーショーとの併催、同会場で同時開催だという。いくらエレクトロニクス業界と自動車業界が昔から関係が深く、電気自動車や自動運転などで親和性が高くなっているとは言え、数ある展示会の中でも歴史が長く、規模が大きく、昔からのファンも多いこれらのイベントを一緒にやろうというのは大きな挑戦。主催者のJEITA(電子技術産業協会)と日本自動車工業会の英断には敬意しかない。

思えば、近年のCEATECは、CPSやIOT、Society5.0へとシフトしていたが、昔の全盛期を知る者としてはイマイチ感は否めなかった。ジャパンモビリティショーも、前身の東京モーターショーは海外メーカーの出展が減ったころから魅力が半減して来場者も激減した。それでも、CEATECはデジタルによる社会課題解決へとシフトし、スタートアップも巻き込んで変化してきた。ジャパンモビリティショーも、自動車からモビリティに領域を広げ、改めて移動手段、技術による変革とそれによる文化や社会の変革へと軸足を変えて復活の兆しを見せた。いずれも天国から地獄への転落を味わい、危機感から自らを変革したもの同士。今秋のCEATEC&ジャパンモビリティショーでは、社会課題の解決に正面から向き合い、未来志向となったエレクトロニクス業界と自動車業界、そこに若い力、発想力に優れたスタートアップが絡む構図。どんな未来を見せてくれるのか楽しみでならない。

相変わらずDXが賑やかだが、本来、DXで重要なのはDのデジタルではなく、Xのトランスフォーメーションの方だ。変革を通じて、どう新たな価値を生み出すのか、どんな未来を作り出すのかが一番の重要なポイント。こうあるべきだ、昔からこうしてきたが通用しない時代。過去にとらわれず、未来を見据えて根本から見直し、変えるところは変えていかなければいけない。今回のCEATECとジャパンモビリティショーの併催は、低迷を機に自ら変化し、新たな価値、新たな社会の構築を目指すもの同士が、さらに一歩踏み出して、共創やパートナーシップという形で既存の枠組みにとらわれずに価値創造にチャレンジしようとしている。これこそまさにDXの本質であり、見習うべき姿。ワクワクしかない。

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