2026年度に5兆円市場へ成長 メモリ、ロジック市場も回復
2023年度のFA市場の苦境は、部材不足による特需の後の反動と中国市場の回復遅れとともに、これまで順調に成長を続けてきた半導体市場の成長サイクルが2023年度に踊り場を迎え、それにともなう設備投資の停滞が大きく影響した。日本における半導体製造装置・FPD製造装置業界は約4兆円の巨大市場。日本のFA業界にとっても半導体製造装置メーカーは重要顧客であり、その動向に注目を寄せている。
SEAJ(日本半導体製造装置協会)は、2024年から2026年にかけての日本製半導体製造装置・FPD製造装置の需要動向を調査し、2024年から2026年の3年間は10%近い成長率で順調に拡大していく見通しを示した。
24−26年は半導体市場は高成長の見通し
2024年から2026年にかけての半導体市場は、WSTS(世界半導体市場統計)によると、2023年は前年比8.2%減となったが、2024年はメモリが単価・数量ともに上昇し、ロジック市場も回復する見通し。AIサーバー受けGPUも需要は旺盛で、市場規模は6112億ドルで過去最高額の更新を予測している。また2030年には1兆ドルを目指すといわれており、中期的にも高い成長率が見込まれている。
半導体製造装置は、米国、日本、オランダで輸出管理の厳格化がはじまったが、規制対象外分野への投資で中国向け装置需要は現在も堅調。2024年度以降は中国以外の国や地域での投資が増加することで中国向けの比率が下がる見通し。2024年度はロジック・ファウンドリー、DRAMの投資回復が予想され、2025年にはNANDフラッシュも大きく回復し、国の支援が投資を下支えするとしている。
FPD産業は、2023年の設備投資額は大幅に減少。2024年度以降はスマートフォンに続き、タブレットやパソコン等でのOLED搭載が具体化すると見込まれており、OLED用8.6世代基板パネルの動きに注目が集まる。
日本製半導体製造装置は2024年度の半導体・FPD製造装置全体の販売高は16%増の4兆5873億円ととなり、2025年度には10%増の5兆460億円、2026年度は9.3%増の5兆5138億円と予測。
日本製半導体製造装置の販売高については、2024年度は15%増の4兆2522 億円と予測。4兆円超えは初めて。メモリー価格の上昇に稼働率の上昇が追い付くタイミングで、DRAM投資が本格的に復活。中国向けも引き続き堅調と見通している。
2025年度は10%増の4兆6774億円。NANDフラッシュが投資回復し、ロジック・ファウンドリーの投資も堅調に推移する見込み。2026年度も好調持続の見通しで、10%増の5兆1452 億円と予測している。
日本製FPD製造装置の販売高について、2024年度は30%増の3351億円。2025年度はG8.6基板でのOLED投資の本格化により10%増の3,686億円。2026年度は韓国と中国で同時にG8.6クラスのOLED投資の本格化が見込まれるが、未確定要素も多く0%の3686億円と予測している。
調査・予測は、SEAJ(日本半導体製造装置協会)の半導体調査統計専門委員会とFPD 調査統計専門委員会による需要予測と SEAJ 理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果もとにまとめたものとなっている。