勢い増すEtherCAT 3強時代へ
DXやIoTの重要インフラに位置付けられる産業用ネットワーク。産業用通信・ネットワーク向け半導体チップや機器などを展開するHMSインダストリアルネットワークスは毎年、FA分野で新規設置されたノードが、どの産業用ネットワークでつながれているかを調査し「産業用ネットワーク市場シェア動向」としてまとめている。このほど最新版となる2024年版が公開され、2024年の産業用ネットワーク市場は7%の成長が見込まれ、産業用イーサネットが7割を超え、フィールドバスは減少傾向。ワイヤレスは成長を続けているが、伸び率は若干鈍化した。
産業用イーサネットがシェア7割を超える
産業用イーサネットは12%の高成長率で成長を加速。新規設置ノードの世界市場の71%を占め、はじめて7割を超えた。ネットワーク種別では、PROFINETが5ポイント増と大きく伸ばし、市場シェアは23%に達し、最大のプロトコルとなった。2023年はPROFINETと並んでトップだったEtherNet/IPだが、2024年は3ポイント増の21%で2位となった。EtherCATは4ポイント増の16%で3位。この数年目覚ましい伸びを示しており、PROFINETとEtherNet/IPに肉薄するところまで拡大している。4位以降は、ModbusTCPが4%、POWERLINKが3%、CC-Link IEが3%と続いている。
フィールドバスは減少続く
フィールドバスは、減少傾向が続き、2024年は2ポイント減少して22%に。年間成長率もマイナス2%と予測している。ただし、新規ノードでのフィールドバスは減少しているが、機能性が高く、実績があるため一定のシェアは維持し続けると見られている。ネットワーク種別では、PROFIBUSが7%でトップ。以降はCC-LinkとDeviceNetが3%ずつ、CAN/CANopenが2%と続いている。
ソリューション増加でワイヤレスも拡大
ワイヤレスは年々着実に成長しているが、成長のペースは鈍化し、シェアの7%を占めている。産業用ワイヤレスをサポートする製品が続々と導入されており、工場でのワイヤレスソリューションの採用も増加している。