東芝インフラシステムズは、オキシデーションディッチ法(OD法)の下水処理施設向けに、回転繊維体を用いた前処理装置「Habuki(はぶき)」を発売した。
同製品は、国内約1000か所の下水処理施設に採用されているOD法の既存設備の前段に設置し、回転繊維体によって低動力かつ効率的な前処理を実施し、下水中の汚濁物質を分解・除去する反応タンクの負荷を大幅に低減できる前処理装置。装置内部の微生物を大量に付着・保持する立体網目状の回転繊維体が常に回転することで繊維体の表面に好気性の微生物が保持され、下水中の汚れを分解。約15分で汚濁物質を70%以上低減できる。また立体網目状構造の繊維体に汚泥を保持するので固形物の滞留時間が長く原生動物の割合が大きくなり、余剰汚泥発生量を従来のOD法と比較して10~20%削減できる。さらには繊維体が回転しながら空気中の酸素と接触するため曝気が不要であり、低動力かつシンプルな構造で維持管理が容易となる。また後段反応タンクへ流入する汚濁負荷を低減でき、曝気に係る処理水量あたりの消費電力量を約20~40%削減可能。
老朽化した反応タンクや曝気装置等の補修工事の際、同製品を仮設設置し既存反応タンクの処理能力を一時的に向上させることで、施設全体では処理能力を落とさず工事が実現できるため設備の老朽化対策にも有効となっている。
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