先日、FA企業の広報マーケティング担当者を招待し、交流会を開催した。23社39名もの人に参加してもらえ、交流も活発に行われて、自画自賛ではあるが成功したと思う。普段は競合同士の企業であっても職種は同じ広報マーケティングであることから、情報管理の適切なラインは保ちつつ、話も弾んでいた様子だ。ライバル企業同士が面と向かって話している姿は、はたから見ててもなかなか刺激的だった。
日本の製造業の多くは、以前は新卒で入った会社で定年まで勤め上げるのが当たり前であり、国内市場での争いが激しかったことから、外部の会社、競合との交流なんてもってのほかだった。最近は転職が当たり前になり、製造業でも人材が流動的になってきたが、それでも製造業の大半は自分のコミュニティに籠りがちで、なかなか外に出られない。付き合いの多い経営陣や、工業会や標準化などの活動を担当している人を除けば、取引先とパートナー企業以外との接点はないに等しい。特に若手から中堅どころは外と交流するチャンスは皆無。とてももったいないことだ。
いま共創や協業が盛んに叫ばれていて、実際に多くのコラボレーションや今までにない製品や技術、考え方、新しいイノベーションが生まれてきている。これを発生し続ける土壌を作るには、まず人同士の交流を活発にすることが不可欠だ。特に若手や中堅どころに外部と交流を持つ機会を与え、若いうちからあらゆる方向に種を蒔き、人脈を築いておけば、歳を重ねて裁量が大きくなった後でも連絡を取り合える。若いうちからそういう関係性を作っておけば、よりコラボや協業はしやすくなる。若い時からの気持ちの良いライバル関係や、会えばいつでも気軽に話せる関係性、これを日本の製造業の中に縦横無尽に張り巡らせることができれば、日本の製造業の復活も夢ではないはずだ。
協業、共創を促進して競争力を強化 若いうちから業界内外で人脈をつくる
- 2024年10月23日
- コラム・論説
- 2024年10月23日号, 灯台
オートメーション新聞は、1976年の発行開始以来、45年超にわたって製造業界で働く人々を応援してきたものづくり業界専門メディアです。工場や製造現場、生産設備におけるFAや自動化、ロボットや制御技術・製品のトピックスを中心に、IoTやスマートファクトリー、製造業DX等に関する情報を発信しています。新聞とPDF電子版は月3回の発行、WEBとTwitterは随時更新しています。
購読料は、法人企業向けは年間3万円(税抜)、個人向けは年間6000円(税抜)。個人プランの場合、月額500円で定期的に業界の情報を手に入れることができます。ぜひご検討ください。
オートメーション新聞/ものづくり.jp Twitterでは、最新ニュースのほか、展示会レポートや日々の取材こぼれ話などをお届けしています