
包装機械メーカーのオリオン機械工業は、シュナイダーエレクトリック製のリニア搬送システム「Lexium MC12」を包装機械に採用し、高速・長時間稼働とマスカスタマイズに対応した次世代包装機械を開発した。
同社は、包装機械や省力関連機器の専門メーカーで、オムツをはじめ生活用品の領域に強く、国内外、特にアジア地域で高いシェアを持っている。生活用品は大量生産の消費財である一方、パッケージや内容量違いなど同一異種製品も多く、そのための段取り替えの回数が増える傾向にある。高い装置稼働率を実現するには段取り替えの回数の減少または1回あたりにかかる時間を減らす必要があった。
そこで注目したのがリニア搬送システムで、生産設備からワークが排出され、包装機械に送られる間の搬送工程にリニア搬送システムを採用して搬送スピードの高速化を実現。
さらに、従来はベルトコンベアに専用治具を取り付け、治具にオムツなどのワークを載せて搬送していたものを、リニア搬送システムのキャリアに金属板を取り付けて2つのキャリアで挟んで移動する方式を開発。これにより、例えばオムツ搬送の際、標準品以外の枚数違いを運ぶ際は、コントローラの設定を変えればキャリアの幅が可変して対応。ハード的な段取り替えが一切いらず、手間も時間もかけずに段取り替えできるような仕組みを完成させ、機械の停止時間短縮と稼働時間の拡大を実現。また生産管理やMES等と連携させることで混流生産にも対応でき、マスカスタマイズを実現する。
同社はリニア搬送システムに10年以上前から着目して利用を検討していて、リニア搬送システムのメーカーが出揃い、同社の要求に見合う製品が出てきたことで今回採用を決定。数ある製品のなかでシュナイダーエレクトリックの「Lexium MC12」を採用した。
リニア搬送システムとしては後発の製品だが、採用の決め手となったのは同製品の低発熱性。リニア搬送システムは大量の電力を使うため電磁石が発熱しやすく、長時間運転していると熱によって制御信号のやりとりや情報処理に影響が出てしまうというデメリットがある。それに対し同製品は、発熱を抑えた設計により長時間稼働ができることから採用にいたった。
開発した包装機械はすでに客先の本番の生産ラインで稼働しており、さらに提案を進めていくとしている。