デンソー、愛知県西尾市の善明製作所に統合ECUの新工場を建設 次世代工場コンセプトのスマートファクトリー

デンソーは、愛知県西尾市にある善明製作所の敷地を拡張し、新たな工場を建設する。
SDVや電動化などの進展によってクルマの各機能を横断的に制御する大規模統合ECUが必要とされ、新工場では主に大規模統合ECUの生産を担う。
新工場は、デンソーの次世代工場のコンセプトを、工場の構想段階から織り込んだ初めての工場とし、デジタルインフラと自動化技術の導入により無人稼働の実現を目指す。
フレキシブル生産システムを採用し、製品を構成する部品やそれらの材料を標準化。設備組み換えが容易な生産ラインと組み合わせ、1つのラインで多品種の生産を実現し、製品の種類や量の変動にスピーディーかつ柔軟に対応。生産設備を構成する部品やユニットは標準化し、加工プログラムも標準化を進め、ソフトウェアの互換性も高めることで、設備の新設や組み換えといった生産準備にかかる時間を大幅に短縮する。
工場内に設置したカメラやセンサーで設備やモノの流れを常時監視し、設備停止につながる予兆を検知した場合は、遠隔にて状況を判断し、設備の停止前に対応することで、生産ラインの24時間稼働を目指す。生産ラインだけでなく、材料や部品などの荷卸から工場内での搬送、材料の補給・投入、製品出荷のための梱包までを自動化することで無人化を進める。
また、デジタルを駆使した働き方へのシフトを進め、デジタルツイン技術で仮想空間に工場を再現し、設備製作前に設備の動作をシミュレーションすることで事前検証を行い、効率的でムダのない生産システムを構築する。これまでのモノづくりを通じて蓄積してきた現場のノウハウを形式知化し、誰もが使えるようにデータベースを整備。データベースを活用してより高いレベルの自動化を推進し、スピーディーに改善サイクルを回し、モノづくりの進化を促進する。
さらに、太陽光パネルによる自家発電や水素などを活用し、環境にやさしいカーボンニュートラルな工場づくりを進める。
敷地面積は約51万平方メートル。工場面積は約5万6000平方メートル。2025年度上期に着工し、2027年1月に竣工、2028年度上期から生産を開始する予定で、工場建屋の総投資額は約690億円を計画している。

https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2024/20240909-01

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