
JEMA(日本電機工業会)は、2024年度上期の電気機器の状況をまとめ、重電機器の国内生産は前年同期比1.8%減の1兆6338億円となった。
電力向け機器は概ね好調。発電用原動機全体としては前年同期を大幅に上回り、火力発電機市場の縮小による影響は継続しているが、国内電力案件によって蒸気タービン、ガスタービンは前年を上回った。電力向けが中心の変圧器や密閉型ガス絶縁開閉装置も前年超えとなった。
一方で、FA・PA向けなど産業用汎用電気機器は苦戦が続く。半導体や電子部品産業の需要減による影響が継続しており、サーボモータやサーボアンプ、プログラマブルコントローラは前年を大きく下回った。回転電機機械、静止電気機械器具、開閉制御装置、開閉機器も前年比減となっている。
2024年度下期の見通しについて、発電用原動機は、脱炭素化に向けた政策により火力発電市場は縮小傾向にあり、前年同期を下回る見通し。電力向け中心の変圧器、監視制御装置等は、再エネの主力電源化にともなって送電網、配電網の次世代電力ネットワークの構築で需要の増加が見込まれており、前年から伸びる見通し。
製造業向けの設備投資は、半導体、電子部品産業向け需要減少の影響が下期も継続する見通しで、サーボモータ、サーボアンプなどの産業用汎用電気機器は、上期に続いて前年同期を下回る可能性が出てきているとした。