IFR(国際ロボット連盟)は、製造業における自動化の導入度合いを図る基準となる「ロボット密度」について、世界の状況をまとめた。2023年の世界平均は、従業員1万人あたり162台となり、7年前の2倍以上を記録した。
世界で最もロボット密度が高かったのは韓国で、従業員1万人あたり1012台で、産業用ロボットの導入率が世界一となっている。韓国でのロボット密度は2018年以降、毎年平均5%増加し、世界でも存在感のあるエレクトロニクス産業と強力な自動車産業の2大顧客に支えられている。
2番目はシンガポール。従業員1万人あたり770台となっている。シンガポールは製造業の従業員数が非常に少ない小さな国のため、比較的少ない運用在庫でも高いロボット密度が達成できる。
3位は中国。従業員1万人あたり470台となり、初めてドイツと日本を上回った。中国がトップ10入りしたのは2019年になってからで、導入の急加速によって4年もたたずにロボット密度を2倍にすることに成功した。
4位はドイツ。従業員1万人あたり429台となった。ドイツはヨーロッパ最大の経済大国であり、ロボット密度は2018年以降5%のCAGRで増加している。
日本は従業員1万人あたり419台で5位となった。世界有数のロボット製造国で、2018年から5年間の
ロボット密度は毎年平均7%増加していまる(2018年~2023年)。
6位以下は、スウェーデン(347台)、デンマーク(306台)、スロベニア(306台)、スイス(302台)と続き、10位はアメリカで295台、11位に台湾の294台と続いている。
地域別では、EUのロボット密度は従業員1万人あたり219台で、前年から5.2%増加した。北米のロボット密度は従業員1万人あたり197台で、4.2%増加。アジアは従業員1万人あたりのロボット密度は 182台で、7.6%の増加。韓国、シンガポール、中国、日本、台湾が世界平均を上回っており、工場立地が多いことからさらなる伸びが期待されている。
https://ifr.org/ifr-press-releases/news/global-robot-density-in-factories-doubled-in-seven-years