
DICと日立製作所は、合成樹脂製造プラントの運転自動化を図るデジタルツイン技術として、統計分析などを活用したインフォマティクスの手法により製造条件を最適化する「プロセス・インフォマティクス」を活用したシステムを実用化した。2025年1月からDICの国内プラントで本格稼働を開始する。
これまでプラントの現場では、サンプリングした製品の状態や品質を確認・監視しながら、熟練者が DCS操作値の補正や追加操作により反応を制御していた。それに対し同システムは、AIなどを用いた反応予測モデルによってサイバー空間上にプラントの運転状況を再現し、プロセス・インフォマティクスの活用で、目標とする品質値に向けた調整タイミングや投入量を決めるための最適な運転条件を導き出し、それらをフィジカル空間である現場にフィードバックする。これにより、現場でのサンプリング確認回数の低減、品質の安定化、作業員の作業効率向上、新製品導入時の立ち上げ期間短縮に寄与し、現場の負担軽減と生産性向上を実現する。