日本の製造業はどれくらいの規模で、成長しているのかどうなのか。「数字で見る日本の製造業の現在地」として、2025年初の日本の製造業人口、出荷金額など日本の製造業の規模を示す基本データとその全体傾向をまとめた。
日本の製造業で働く人の数を表す「就業者」は、2024年11月時点で1042万人(総務省統計局 労働力調査 2024年11月分)。全就業者数6814万人の15.2%を占めている。ピークは1993年の1569万人で、近年は増減はあるが、全体として緩やかに減少傾向にあり、今回は1年で11万人減少した。
製造業の事業所数や製造品出荷額については、経済産業省 経済構造実態調査 2023年2次集計によると、全国にある製造業の「事業所数」は、22万3391社。前年に比べて621社増加した。メーカーが製造して出荷した金額「製造品出荷額」は、2022年は361兆7749億円。前年の330兆円から9.6%増加。「付加価値額」は1092319億円で、前年の106兆6140億円から2.5%増となっている。
さらに、日本で製造したものを海外に出荷した金額「輸出額」(財務省 貿易統計 2023年分)は、2023年は100兆8730億円(食料品や原料品も含む)となり、年々右肩上がりの傾向にある。2024年は上期で51兆5172億円と前年を8.8%上回っており、さらなる拡大が見込まれる。
総じて、日本の製造業で働く人の数、事業所数の数は年々減少傾向にある一方で、出荷額や輸出額は微増。新興国と比較すると成長率で見劣りし、相対的評価では停滞または低迷という評価だが、着実に前には進んではいる。
労働人口が減少するなかでの勝ち筋は、国内工場の自動化・効率化を進めて国内市場での売上・利益を増やし、同時に売り先を外に目を向けて海外市場での顧客獲得による輸出の拡大。そのためにも大手企業は海外市場への積極的な開拓を、彼らに部品やサービスを収める中小企業は顧客の海外展開を支えるための国際規格への対応やサポート体制の強化が求められる。