【2025年 年頭所感】一般社団法人 日本半導体製造装置協会 会長 河合 利樹 次世代の人材育成に注力

皆さま、明けましておめでとうございます。

昨年も能登半島地震や豪雨など、さまざまな自然災害が発生しました。この場をお借りして、被災されましたご家族とそのご関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復旧と復興を心より願っております。

2024年を振り返りますと、各国における重要な選挙、中東情勢の緊迫ならびにウクライナ情勢の長期化、そしてそれらに伴う地政学リスクの高まりなどがマクロ経済に影響を与えました。その一方で、人々の生活や社会全体にAIが広く浸透してきたことを実感した一年でもありました。

さて、昨年の半導体市場は、AI向けを中心に先端ロジックやDRAMの堅調な需要を背景として、初めて6,000億米ドルを超えたと予想されています。10年前の市場規模と比較しますと約2倍となり、目覚ましい成長を遂げてまいりました。これまで、半導体の進化によって、PCやスマートフォン、IoT、Industry 4.0などの普及が急速に進み、産業や社会の発展に大きく貢献してきました。それらに加えて、今後、AIやAR/VR、自動運転といった新たなテクノロジーが牽引役となり、半導体市場は2030年に1兆ドルを超えると言われています。その実現に向けて、半導体チップの集積度を向上させるスケーリングと、複数のチップや機能を一つのパッケージに集積するヘテロジニアス・インテグレーションの2つの軸における技術革新が重要性を増しています。
 半導体の進化の真っただ中において、本年は、GAA(ゲート・オール・アラウンド) ナノシートを用いた2nm世代ロジックの量産化がいよいよ開始する他、チップレット技術が一段の進化を遂げるなど、1兆ドルの半導体市場に向けて、半導体製造技術の着実な進展が期待されます。

私たちの生活のあらゆる場面でデジタル技術の活用が拡がり、より一層、便利になる一方で、サステナブルな社会の実現を目指し、地球環境保全に向けたネットゼロやPFASに代表される環境規制物質への対応などにサプライチェーン全体で率先して取り組む必要があります。また、次世代の人材育成に注力しており、当協会主催による学生向けイベントなどを通じ、今後とも多くの方々に半導体産業の魅力を積極的に発信してまいります。

当協会は、今年で創立40周年を迎えます。繁栄、成長の象徴とされる蛇のように常に時代の変化に適切に対応しながら、皆さまとともにさらなる発展を遂げられるよう精一杯努めていく所存です。皆さまおよびご家族にとって、安全、健康で、実り多き年になることを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

https://www.seaj.or.jp

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