【2025年 年頭所感】一般社団法人 日本電設工業協会 会長 文挾 誠一 多様な人材“いきいき”活躍

皆さま明けましておめでとうございます。謹んで新年の御挨拶を申し上げます。皆さまには当協会の活動に対し日頃から多大なご支援を賜り、この場を借りまして心から御礼申し上げます。
 さて、電設業界では、昨年4月から適用が開始された罰則付き時間外労働の上限規制に対応するため、これまで業界一丸となって「働き方改革」を推進してまいりました。しかしながら、将来を担う若い世代にとって、電設業を「魅力ある、希望の持てる、働きがいのある」働きの場とするためには、上限規制の適用を梃子に「働き方改革」をさらにシンカ(深化、進化)させていく必要があります。協会本部としましても、建築工事の最終ランナーである電設工事業は自助努力だけでは対応に限度があることから、一昨年に引き続き、現場の後工程という同じ悩みを抱える(一社)日本空調衛生工事業協会さんとも共同し発注者等への働きかけを行いました。今後も現場の実情をきめ細かく汲み取りながら、適正工期の確保、4週8閉所の実現に向け、発注者、関係機関等への要請を継続して参る所存であります。改めて、工事関係者の皆さま、読者の皆さまのご理解とご協力をお願いしたいと思っております。
 昨年を振り返りますと、資機材の価格高騰や納期遅延など一部で厳しい動きが見られましたが、電気工事の受注高は昨年度と比較して増加傾向にあり、各社の業績も堅調に推移しているものと認識しております。これを表すかのように、昨年5月に東京で開催したJECA FAIR2024は、出展者数、小間数ともに過去最大規模で開催され、会場は非常に多くの来場者でにぎわいを見せるなど、成功裡に終わることができました。出展者の皆さま、ご来場いただいた皆さまに改めて御礼を申し上げます。
 また、昨年の会員大会においては「新たな電設業界の構築に向けて第四次アクションプランを始動させよう!」との決議を満場一致で採択いたしました。この第四次アクションプランは2024年度から2027年度までの行動計画であり、重点取り組みとして5つの柱で構成しています。
 1つ目の柱は、時間外労働の上限規制適用を梃子に「働き方改革」をシンカさせることであります。具体的な目標としては、このアクションプランの期間中に少なくとも「4週8休」の実現を目指してまいります。
 2つ目の柱は、担い手不足の深刻化に対応した「多様な人材確保・育成と処遇改善」方策を強化することです。女性活躍の推進や外国人技能労働者の受け入れ促進といった施策はもちろんのこと、電設業が「エッセンシャル・ワーク」であり、社会的使命を担う働きがいのある職場であることを、小中学生から大学生に至るまでの幅広い世代に、幅広いチャンネルで積極的に情報発信し、未来に向けた人材獲得の種まきを行ってまいります。
 3つ目の柱は、生産性向上、省エネ・脱炭素化など、人口減少下での社会・地域のGX(グリーントランスフォーメーション)実現に貢献する新技術の開発・普及に積極的に取り組むことです。
 4つ目の柱は、請負契約の見直しによって受発注者間の対等な関係の構築に向けた条件整備や関係者・関係機関とのコミュニケーションの充実を図り、労務費の適切な転嫁と適正な工程の確保、工程の遵守に向けた実効性の向上を進めて参ります。第三次・担い手3法の一部が昨年12月13日に施行され、価格転嫁・工期変更協議の円滑化ルールの導入などが行われました。会員の皆さまにおかれましては、改正内容を事業活動の中に十分に取り込んでいただくことが必要であり、協会としても周知に努めてまいります。
 最後の5つ目の柱は、電設協としての会員サービスを充実させるとともに、広報・広聴活動を強化し社会への発信力を強化して参ります。
 これら5つの柱に沿って、「多様な人材が“いきいき”と活躍し、魅力と活力にあふれ、将来に希望の持てる電設業界」を目指し、行動する電設協として活動を進めてまいります。
 結びに、今年の干支は「己巳(きのとみ)」です。この組み合わせは「努力を重ね、物事を安定させていく」といった縁起の良い意味を表しているそうです。干支にあやかり、本年が電設業界のさらなる発展と会員企業の皆さまにとって満願成就の年になりますようお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

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