SEAJ(日本半導体製造装置協会)は、2024年から2026年までの半導体製造装置とFPD製造装置の需要予測をまとめた。2024年度は落ち込んだ2023年度から大きく回復し、2025年度、2026年度のいずれも右肩上がりでの成長が続き、2026年度には5兆5045億円まで市場が拡大する見通しを示した。
AIとOLEDの需要拡大
半導体市場の状況と見通しについて、WSTS(世界半導体市場統計)によると、2024年の世界半導体市場は、メモリー価格上昇が大きな要因となって11月までの累計で前年比19.8%増と大幅に回復し、通年でも過去最高となる 6268億ドルに達する見込み。2025年もメモリー市場、ロジック市場共に順調な伸びが予想され、2025年は11.2%の増加予想となっている。
メモリーは2025年後半以降に需要回復と在庫調整が完了し再び価格上昇が期待され、AIサーバー向けGPUとHBM需要は旺盛が続く。AI機能を端末に搭載するオンデバイスAI(エッジ・ローカルAI)は2027年に拡大が見込まれ、オンデバイスAi機能の強化はロジック、メモリーの高性能か必要なため、ロジック、メモリー双方にプラス影響を与えるとしている。
FPD産業は、パネルメーカーの業績は厳しい状況が続いているが回復傾向にあり、2023年のFPD製造装置は振るわなかったが、その反動で2024年度は大きく回復する見通し。また韓国で、IT製品に搭載されるOLED用第8.6世代基板の投資が始まっており、2025年度には中国でも開始される予定。IT製品向けのパネルは1台あたりのパネル面積が6〜7倍と大きくなるため、液晶パネルからOLEDパネルへの置き換えの進捗によって第8.6世代基板の設備投資が期待されるとしている。
半導体・FPD製造装置にも好影響
半導体とFPD市場の見通しが明るいことを受け、日本製半導体・FPD製造装置の販売予測について、2024年度は全体で20.7%増の4兆7722億円の予測。以降は2025年度は伸び率は緩やかになるが初めて5兆円を突破し、2026年度には5兆5045億円まで拡大すると見込んでいる。
半導体製造装置は、2024年度は中国市場の好調さとAI関連を中心としたメモリ投資が回復して20%増の4兆4371億円、2025年度は5%増の増加、2026年度はAI関連半導体の需要押し上げ効果が本格化することによって10%増の5兆1249億円になると予測した。
FPD製造装置は、2024年度は韓国でG8.6基板を使ったOLED投資の開始と前年の反動もあって30%増の3351億円となる見通し。2025年度は中国でもG8.6基板でのOLED投資がはじまることで3%増の3451億円で拡大が継続。2026年度は両国でのOLED投資本格化によって10%増の3796億円へと成長が続くと予測している。