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日立産機システムは、経過時間と温度との積算値に応じて変色する「温度×時間センシングインク」を活用した食品の品質可視化ソリューションの提供を開始した。
同ソリューションは、温度×時間センシングインクをラベル印刷に使用して食品等に貼り付けることで、従来の温度ロガーなどの機器を設置するのに比べて、安価で電源不要かつ設置・確認が簡単にでき、回収もいらず、サプライチェーン上での温度測定が容易にできるようになる。これを活用することで青果物の食べ頃などの品質情報が可視化でき、商品価値の向上や廃棄ロスの低減が可能になる。
温度×時間センシングインクは、日立製作所研究開発グループによる開発で、低温環境ではゆっくりと、高温環境では早く変色する特性を持ち、温度に対する経過時間の積算値で一定の色に変化する。また、一度変わった色は元の色には戻らないという不可逆性を有し、色変化を数値データとして読み取ることで、出荷後の平均温度・積算温度を把握できる。またインクには同社独自の材料技術を活用し、これまでインク形態では難しかったコールドチェーンにおける低温から常温領域まで幅広い温度帯に対応している。
品質可視化ソリューションは、温度×時間センシングラベルと品質可視化アプリで構成され、ラベルは農水産物・食品に貼り付けて使用する。品質可視化アプリには、熟し具合などの品質と積算温度の相関関係の情報を実装し、モバイルデバイスでラベルを読み取って使う。
青果物の熟し具合を判定する場合は、ラベルと2次元コードをアプリで読み込むことで、出荷後の積算温度を把握し、熟し具合を算出できる。読取時点から食べ頃までに要する積算温度とその後の保管温度から、食べ頃となる時期も予測できる。