三菱電機は、受配電設備を遠隔監視して取得したデータを活用することで保安業務を効率化する「受配電設備向けスマート保安サービス」を4月1日から発売する。同社製受配電設備のうち高圧配電盤を対象にサービスを開始する。
同サービスは、受配電設備内に設置したカメラで設備内の状態を撮影し、温湿度センサや塵埃センサで設備内の温度や湿度、汚損量データを取得。取得したデータを SCADAで収集、解析し、パソコンやスマートフォン等の画面に表示し、場所や時間を選ばずに遠隔で常時監視。人手で実施していた法定点検や自主点検業務を効率化し、保守現場の点検頻度の削減が可能。
設備内外の温度、湿度のデータを常時監視することで結露発生の予兆を検知し、発生前に通知・通知を受けた保守員が受配電設備内のヒーターや除湿器を動作させることで、結露の発生を未然に回避し、地絡や短絡などの事故発生の未然防止も可能。また温度や湿度に加え、ガス、塵埃、音などのさまざまなセンサから得られたデータに対して、「MT 法による劣化診断技術」などを応用し、受配電設備の余寿命を診断。計画的かつ適切なタイミングでの設備メンテナンスや更新もできるようになっている。
実際、受配電システム製作所(香川県丸亀市)で、自社製受配電設備を対象に社内実証を行なったところ、遠隔での常時監視による機器の劣化状態や異常兆候の常時把握ができ、その実証の成果をもとに行政に高圧配電盤の定期点検周期延長を申請した結果、定期点検周期の1年から最長 6 年への延長が承認された。
また同サービスは、2025年3月には同社製特別高圧キュービクル形ガス絶縁開閉装置でも検証結果を確認してサービスに組み込む予定。他社製高圧配電盤向けスマート保安サービスの実証、複数拠点の一括監視の実証も継続して行なっていく。またスマート保安のサービス対象を熱や水、空気などの動力系設備に段階的に広げ、将来的にはデジタル基盤「Serendie」と連携した E&Fソリューションの創出を目指す。
三菱電機、受配電設備向けスマート保安サービスを4月発売 常時リモート監視で保安業務を効率化
- 2025年2月27日
- 新製品/サービス
- 2025年2月26日号, 三菱電機
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