数週間前、若い世代での大手電機メーカーの認知度が大きく減少したというニュースが話題になった。かつてはテレビや冷蔵庫、洗濯機、パソコンなど家電を選んで購入するプロセスが生活の身近にあり、それに向けて広告をはじめ沢山の情報が出ていたから自然と刷り込まれていたことが大きいだろう。認知度低下はショッキングな話であり、一抹の寂しさはあるが、ビジネスの軸足を移したことによる当然の結果であり、逆に過去にこだわってジリ貧になっていくよりよっぽどマシだ。
逆に、若い人に認知度を上げた・高いところはどこだろうと考えると、例えばSAMSUNGやOPPO、ANKERなどが真っ先に上がってくる。いずれもスマートフォンに関連した企業ばかりである。若い世代が最も身近に感じ、選び、購入するものと言えばスマートフォンであり、自然と各社の名前やブランドは覚えていく。当然のことながら、Apple、Googleを知らない人はいないだろう。若いうちに認知と支持を獲得すれば、年齢が上がった時もビジネスは有利に運ぶ。その意味でも、刷り込み効果というのは有効だ。
BtoBのビジネスであるFAもそれは同じである。既存顧客を最重要とするのは当然だが、一方で代替わりした際も今の状態が引き継がれるようにしていかなければならない。何もしなければ認知度・ブランド力は年々下がる。いま若い人へのアプローチは、人手不足、採用目的が中心だが、現顧客の世代交代への対策、次のビジネスへの仕込みとしても強化する必要がある。メーカー自らの手で情報を発信することはもちろん、販売代理店やユーザーからの発信、メディアからの発信など、多方面から自社情報が世に出ていき、拡散されるような仕組みを作り、いつも目にする状態を整えていこう。