「やわらかいこと」は良いことだ 新たな発見、アイデアは柔らかな土壌から芽吹いて育つ

体が柔らかければ、怪我をする可能性は低く抑えられ、健康的な生活を送ることができる。頭が柔らかければ、発想が豊かになり、新たな発見やたくさんのアイデアを思いつくことができる。考え方が柔らかければ、色々な意見を聞くことができ、結果として考えに深みが増す。性格がやわらかければ、穏やかで人当たりもよく、まわりと円滑な関係性を築くことができる。そして何より、ふんわりとやわらかな食べ物には美味しいものが多い。やわらかいことは良いことである。

製造業のビジネスでは、新製品や新サービス、新事業など、新しいことを発想し、そこにチャレンジし続けることが事業拡大の鍵となる。そのためには「やわらかさ」が重要だ。例えば、今週号に掲載している安川電機とトヨタ自動車のアーク溶接の新しい工法の共同開発は好例だ。工法を開発するにあたり、両社は産業用ロボットのアイデンティティとも言える「速さ」にはこだわらず、熟練作業者の作業を再現することを最優先し、「ゆっくり丁寧」をポイントとして取り組んで成功した。「産業用ロボットなのだから速く動かすのが当然である」と固執していたら、新たな工法は生まれなかっただろう。目的・ゴールに向けて頭をやわらかくしてさまざまなアプローチを考え、そうして出てきたアイデアを柔らかく受け入れたからこその成果だ。やわらかさは発想を生み、育て、飛び立たせるもととなるのだ

こだわり=固定化であり、その怖いところは視野を狭め、変化に弱くなることだ。不変なものなど存在しない。小さな変化を自ら微調整して対応するのが正しい姿。何事も長く続けていると、知らぬ間に固まり、こだわりも強くなる。しかしその危険性を自覚し、できる限りやわらかくあろうとする姿勢こそが重要。いまも昔も日本の製造業は「やわらかさ」で優位性を作り発展してきた。歴史があり、こだわりが強い欧米、それと正反対の中国。その間にあり、突飛なアイデアや技術も信頼性が求められる産業用に落とし込めるのは日本の強み。このポジションを活かして儲かる仕組みを作っていこう。

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