
NECA(日本電気制御機器工業会)は、電気制御機器の2024年度年間出荷見込みと2025 年度年間出荷見通しを発表した。
2024年度は在庫課題の影響が残り、前年度比8%減の6182億円。2025年度見通しは、劇的な回復は期待できないながらも、国内の設備投資の回復、輸出はヨーロッパ・中国以外の地域の底堅さによって3年ぶりに前年を上回る6650億円(7.6%増)。数年来続いていた冷え込みも、ようやく底を打つと予想される。
在庫状況も改善へ
2024年度の出荷見込みは、総額は6182 億円(8.0%減)。
うち国内は11.4%減の3708億円で、2年連続の前年割れとなった。国内の上期は昨年度の下期から続く在庫課題の影響から新規の受注と出荷が伸び悩んだ。下期からは在庫状況が改善に向かい、前年同期比で前年を上回る(1.3%増)と予測している。
輸出は2.5%減の2474億円で、2年連続の前年割れ。アジア・太平洋を牽引役に1Qから出荷額の回復が見られ、下期は中国や欧州の経済停滞の影響から伸びを欠いたが、前年下期が最悪の時期だったため、前年同期比では14.0%増になると予測している。
省力化やDX、GX設備投資に期待
2025年度の出荷見通しは、総額は6650億円(7.6%増)。3年ぶりに前年比100%を超え、底を脱する予想。
国内は8.7%増の4030 億円。省力化やDX、GXに向けた製造設備の更新など順調な企業収益を背景に設備投資の回復が期待されるが、人手不足や資材価格の高騰などもあり、伸びは緩やか。それでも旺盛な生成AI需要に支えられた半導体市場の成長継続は好材料となり、上期は前年下期からほぼ横ばいが続く。半導体関連産業をはじめ工作機械やロボットなど主産業の回復とともに下期からは緩やかに回復していくと見られる。
輸出は5.9%増の2620億円。北米とアジア・太平洋の底堅い成長が見込まれるが、中国と欧州は低迷が
続く予想。北米は半導体、エネルギー関連の投資増、アジア・太平洋では韓国・台湾の先端半導体、インド・インドネシアのインフラ関連投資等の好材料があるが、欧州での投資減が長期化し、中国も政策支援以外の好材料が期待できず、伸びは緩やかにとどまる。
ただし、トランプ政権下の米国をはじめ、各国の関税政策による世界経済下押しの懸念があり、国内企業への影響が不安要素となる。ウクライナや中東など紛争や地政学リスクもあり、不確実な状況は続くと見られている。
https://www.neca.or.jp/wp-content/uploads/NECA_-PressRelease_stats-for-outlook-and-prospects.pdf