
東洋紡は、福井県敦賀市のつるがフイルム工場のPETフィルム製造設備に設備投資を行い、液晶ディスプレーなどの偏光子保護用超複屈折フィルム「コスモシャインSRF」の生産能力を3割増強する。2025年度中に増産体制を構築し、2026年度より改造した新設備での量産開始を目指す。
同製品はPET製のフィルムで耐水性や耐久性に優れ、従来同用途で主流だったトリアセチルセルロースなど他の素材に対して、吸湿による画面の反りやゆがみが生じにくいことが評価され採用が拡大している。現在世界の液晶テレビ向け偏光子保護フィルム市場で約60%のシェアを占め、今後も液晶ディスプレー画面の大型化に伴って2030年まで年率約3%の成長が見込まれている。
新設備では、最大で3メートル幅のコスモシャインSRFの生産が可能。ディスプレーのさらなる大型化ニーズに対応する。