これまで日本の中小の製造業がデジタル化を進めることの重要性についてお話しして参りました。日本はデジタルカメラのようなデジタルを使った電気製品で世界をリードしてきたという印象があるのでデジタル先進国であると思っていましたが、デジタルを経営的に活用するというDXにおいては遅れが出ています。
そこで日本の製造業の強みである現場カイゼンにデジタルの力を導入して、これまでのやり方でできなかったことを可能にすることを提案いたしました。
そのための第一歩は、デジタルが得意な人をまず社内で探すことです。最初は技術者の中から探すのが良いでしょう。しかしここで求められる人材は必ずしも技術系とは限りません。スマホなどを自在に扱える方もデジタル化のカイゼンを実行する際に力を発揮して下さる可能性が高いです。そこで、たとえばガジェット好きな若い人の中にはデジタル感覚の鋭い人が多いので、「会社でこういうことをしたいのだけど何かいいアイデアないかな?」といった問いかけをしてみてはいかがでしょうか。新しい人材を発掘できる可能性大です。
しかしそうはいってもやはり初めてのことでハードルが高いということもあると思います。その場合は、仕事をデジタル化で一気に見える化・つながる化することをサポートしてくれる専門家に頼むことも可能です。私がスーパー電気屋さんと呼んでいる日本カイゼンプロジェクトの会員の㈱CRC社長の大日南隆夫さんもその一人です。そのような頼もしい助っ人もいらっしゃいますので安心してチャレンジをいたしましょう。
さて、次回からは 「柿内幸夫の〇〇カイゼン」というテーマで私がこれまでに経験したカイゼンでおもしろかったり驚いたりしたものの中からお役に立つものをご紹介して参ります。どうぞお楽しみになさってください。よろしくお願いいたします。
現場カイゼンにデジタル化を導入する時に使える補助金
全国商工会連合会が「ビジネスコミュニティ型補助金」を公募中です。
小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更に対して、セミナーや研修等の実施を通して活動している経費の一部を補助してくれる内容です。
デジタル化を進めるに当たり、仕事を熟知した社内人材を教育して自社で仕組みを構築することをお勧めしています。そのために必要な基礎教育を、外部の専門家を活用して行う場合の専門家招へい旅費や謝金などが対象となります。上限は50万円、詳細はリンクからご覧ください。
https://www.jizokukanb.com/bizcom/

■プロフィール
柿内幸夫
1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。
経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長改善コンサルタント、工学博士技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授
著書「カイゼン4.0-スタンフォード発企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所<101項>」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など
一般社団法人日本カイゼンプロジェクト
改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
■詳細・入会はこちら