YouTubeに島津製作所の150周年記念アニメがあり、興味本位で見てみたら、クオリティの高さに驚いた。有力スタジオが制作し、人気声優が出演する贅沢な作り。おめでたい記念なのだから力を入れるのは当然と思いつつ、何回か見直したおかげで、同社の創業者が島津源蔵であり、日本で初めて軽気球を飛ばした人だということを自然と覚えてしまった。
また、全国放送をしている「未ル わたしのみらい」というアニメは、ヤンマーが製作・プロデュースしているものだそうだ。武器を持たないロボット「MIRU」がさまざまな人と出会い、それによって未来が変わるという1話完結のストーリーをオムニバス形式で放映している。アニメを通じて、私たち一人ひとりが未来を創る存在であり、「未来は自分たちの手で作れる」というメッセージを込めたとのこと。ロボットのデザインは同社所属のデザイナーが手がけており、高い本気度が伝わってきて、ヤンマーという企業の強さを感じた。
アニメと製造業は、いずれも日本が誇る文化、産業であり、世界にも認められている。これらをもっと掛け合わせていくことで、日本の魅力や特長を世界に広げる、かつ若い世代に魅力を伝えられる一助になるのではないか。人手不足解消の鍵は、若い人や新しい人を招き入れ、定着してもらうこと。そのきっかけづくりにアニメの活用は有効だ。またアニメ作品にもリアリティが求められるなかで、すべてがリアルで構成される製造業からアニメをサポートできる部分も多々ある。お互いにWin-Winな関係がに昇華できる可能性は十分にある。アニメは夢を描き、製造業は夢を現実にする。それらの両方を持っているのが日本という国の魅力なのだ。