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多くの産業の製造現場は少子高齢化による人材獲得難やノウハウ継承の断絶といった問題に直面し、同時に起こった働き方改革やDX、IoT化と云ったテーマは必然的にセンサとロボットにその成長機会をもたらしている。それにより産業革命以来の機械化の時代が到来しているが、産業革命時と大きく違うのは保守要員の総量の過少であり、設備機械には自らの劣化をアラームする自己診断機能の具備が求められる。これは予知保全や予兆保全と称したニーズとして、技術的発展が見込まれている。機械が故障する前兆現象を教えてくれる「予知保全」のパラメータは様々だが、特にモーターなど回転部分をもつ機械では従来から加熱、偏心、電流値、変位、異音などのパラメータが使われてきた。その中でも最も早期にかつ的確に故障前兆を検知出来る手段として、「振動」の解析による予知保全があり、故障の前兆検知に対する振動の有効性は、ISOの「ピーエフ曲線に見る振動監視の効果」に詳しく記され、概ね故障発生の9カ月前に予知できるとされている。
当社は、振動を加えて(加振)耐振動性能を試験する「振動試験装置」の専門メーカーとして国内シェア60%ほどを有するが、加振から測振(振動計測)までを一貫して社内で賄える国内唯一の振動専門の企業だ。過去65年の技術蓄積を振動予知保全に生かし、「振動予知保全センサVP-8021」のFA業界参入を2年前に決め、MEMS素子を使った同製品を従来とは桁違いのローコスト振動予知保全用センサとして発売した。更に2024年には、故障予兆の振動しきい値をティーチボタンで設定できる世界初の振動センサハブ「VDユニット」を発売する予定で、汎用の光センサのような手軽さで予知保全発報を設定できる時代の幕を開けることに挑戦する。当然ながら世界市場を見据えており、成長の加速のため、M&Aを含めた企業間連携も積極的に行いたいと考えている。
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