三菱電機 西本 久浩 FAシステム事業本部 機器事業部長
2024年は、半導体・電気電子関連市場の回復遅れや、グローバルでのEV関連需要低迷による車載用バッテリー等の設備投資の減少、市場在庫の消化局面が長引いた影響等を受けて苦戦した。
一方で、お客様の製造現場での省エネやカーボンニュートラル(CN)への関心・需要が高まっている。当社としても、FA機器や省エネ支援機器に加え、IoTプラットフォーム、可視化・分析・診断の各種アプリケーションを活用し、グループ全体でのCNソリューション提案を強化している。
具体的には、省エネデータ収集サーバ「Eco ServerⅢ」や、「e-F@ctory支援モジュール」による工程別のエネルギー原単位管理ソリューションをはじめ、収集・可視化したデータを分析するAI「Maisart」を搭載した省エネ支援アプリケーション「ECO Adviser」やSCADA製品「GENESIS64」による生産現場のエネルギーロスの要因特定など、お客様の課題・要望に対応したトータルでのソリューションを提案している。
2025年は、市場在庫の消化が進み、新規受注の本格的な再開を期待している。半導体・実装機関連市場は2025年度上期から本格的に立ち上がると言われ、労働人口の減少加速にともなってさらなる自動化への需要・投資の拡大を見込んでいる。
新製品として、コントローラ系で画期的な新製品をはじめ、タッチパネル表示器、インバータの新シリーズを投入する。国際ロボット展とIIFESで披露した「リニアトラックシステム」も商談が活性化してきている。日本メーカーの品質とサポート体制を武器に提案を強化する。
この数年間、異常な事態が続いた。2025年はそうした混乱も収まり、ようやくフラットで勝負ができるようになる。もう一度成長軌道に乗せる年にしたい。