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【2025年FA市場はどうなる?どうする?】IDEC 舩木 俊之 氏「新生IDECへ構造改革を遂行」

IDEC 舩木 俊之 代表取締役会長兼社長

2024年度は、流通在庫調整の影響や欧州の景気低迷などにより、主力製品群の需要回復が予想以上に遅れるなど厳しい状況が続いている。そのなかで今期は飛躍に向けた基盤固めの年と位置付け、新生IDECへと生まれ変わっていくための全社的な構造改革を段階的に行い、来期以降の収益性の向上を進めている。

具体的には、日本国内における一部事業所の閉鎖・売却と尼崎事業所への集約や米国拠点の統合をはじめ、IDECシステムズ&コントロールズの太陽光発電事業の譲渡やIFBテクノロジーズへのファインバブル事業の譲渡などノンコア事業の再編、ERPやSCPのシステム導入などのDX推進による業務の効率化・経営のスリム化、適正在庫水準を維持できる体質への転換を進めてきた。

人材面についても、グローバルタレントマネジメントによる適材適所、人材配置の推進、新生IDECを支える新たな人材の獲得・育成、日本におけるセカンドキャリア制度拡充による組織人員の最適化などに取り組んだ。

今後グローバルレベルでマーケットニーズに即応し、それに合致する製品を迅速に開発、提供できる体制を構築する「顧客中心のビジネス構造の構築」と「One IDECの実現」が必要不可欠である。開発スタイルを抜本的に変革し、今後は日本とフランス、米国の3拠点で開発・設計を行う体制に転換していく。統合後の米国拠点には開発と生産、販売機能を持たせ、より市場にマッチした製品をスピーディーに開発、販売できる体制を構築していく。

今後グローバルでのさらなる成長と収益性向上を目指すためには、過去の延長線上ではない、全く発想を変えた、抜本的な構造改革を行う必要がある。2025年は現在推進している構造改革をやり切り、「新生IDEC」へと生まれ変わっていく。

https://jp.idec.com/idec-jp/ja/JPY