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【2025年FA市場はどうなる?どうする?】北陽電機 尾崎 仁志 氏 「新製品開発と新市場開拓を強化」

北陽電機 尾崎 仁志 代表取締役社長

2024年は、上期は在庫調整局面に入ったことで受注が低迷したが、下期は半導体搬送関連で受注残の消化を終え、新規案件に向けた発注が増えて回復の兆しが見られた。しかし中国をはじめとした海外市場で景気減速から脱する動きが乏しく、先行き不透明な状況にある。

コロナ禍以降はユーザーとの接点が希薄になっていることから、全社の方針のひとつに「Connect(繋がる)」を掲げ、技術部門と営業部門の社内連携とユーザーへの情報提供の強化に努め、顧客のニーズを拾い集めて製品に展開する取り組みを進めている。

新型3D LiDAR「YLM-10LX」が開発、生産の遅れにより当初計画から発売が先延ばしになったが、12月に発売を開始し、これから巻き返しを図る。またプロトタイプとして、厚さ20mmの超薄型3Dセンサ「UCT-X001」を開発し、限定90台を生産した。2025年1Qまでの製品化を予定し、従来の測域センサでは獲得できなかった市場へ訴求していく。

2025年は、TSMCやラピダスなどで新棟建設に向けた案件が見えてきているため、半導体搬送関連のベースは2024年度より上向く見込みだ。しかし市場の不透明さは依然として残っており、測域センサ市場は競合他社の増加によって厳しい競争を強いられることが予想され、新たな市場獲得が急務となっている。

新型3D LiDAR「YLM-10LX」の販売強化とともに、これをベースとした新たなSolid State Lidarの製品開発を継続して進める。またJIS D6802 産業車両規格が変更になったことを踏まえ、国内市場でも増えつつあるSafetyセンサの市場の獲得に向け、耐環境型「UAM-05LPA-T301」のAGV/AMR業界への浸透を目指す。

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