サンミューロン 川島 敬介 代表取締役社長
2024年度の売上は、前期比5%程度の減少で落ち着きそうだ。市場での滞留在庫の解消が想定以上に進まず、月によって受注の多寡が激しく、見通しが難しい1年だった。今期の残り3ヶ月で減少幅を縮小させる努力をしていく。
1年を通じて品質を重視した活動を行ってきた。その目玉として組織変更を行い、品質保証部門だけでなく本社部門も一丸となって品質向上に取り組んでいる。結果が出るのはもう少し先だが、正しい方向に向かっており、結果が出るのを楽しみにしている。
これまで当社の生産システムは「やまびこ短納期システム」として最短納期で出荷する取り組みを最優先としてきたが、サプライチェーンを見直して新しい生産体制を構築している。全ての製品を短納期で生産・出荷するのではなく、お客様の要望に合わせて柔軟に対応できる体制に見直しをしている。完成しているシステムの再構築は困難が多いが、長期的な視点から今が挑戦する最適な時期と考えている。
採用活動と人材育成は引き続き力を入れていく。今年も新入社員を採用でき、しっかりと育てて戦力化していく。また社外の専門家を招いて実施している社員教育も効果が出ている。特に社員の分析力が向上し、お互いが高い視点で指摘し合えるようになっている。
他社とのコラボレーションとして、日テレR&Dラボ様、TASKO様とのオープンイノベーションの共作物であるPIXTERIORは、米国・テキサスでのSXSWや伊勢丹アートウイークなどで展示された。新しい視点での共創は刺激や学びが多く、今後もこのようなオープンイノベーションは継続していく。
気候変動への対応、原材料価格の高騰や物流費上昇への対応など課題は山積しているが、引き続きスイッチ専業メーカーとしてお客さまから選ばれ続ける会社を目指していく。